海外旅行保険は
クレジットカードで十分?
知っておくべき注意点とは?
「海外旅行保険ってクレジットカード付帯で十分って聞くけど本当なのかな?」
「任意加入の海外旅行保険に入った方がいいのかわからない…」
今回は判断に迷うクレジットカード付帯の海外旅行保険について損害保険会社である当社が解説します。
具体的には、
- ・【結論】海外旅行保険はクレジットカード付帯で十分なのか?
- ・クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償項目
- ・クレジットカード付帯の海外旅行保険の特徴
などを話していきます。
クレジットカード付帯の保険で十分かどうかは補償項目と保険金額がポイントになります。
何故ならクレジットカード付帯の海外旅行保険と任意加入の海外旅行保険では補償内容が大きく違ってくるからです。
あなたにピッタリの保険を選んで、安心して海外旅行を満喫しましょう!
目次
1.【結論】海外旅行保険はクレジットカード付帯で十分なのか?
海外旅行保険はクレジットカードに付帯しているもので大丈夫と考える人もいます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
結論から言うと、“補償項目と保険金額次第ではクレジットカード付帯の海外旅行保険でも十分”となります。
クレジットカードの種類にもよりますがクレジットカード付帯の海外旅行保険は任意加入の保険に比べて、
- ・補償項目が少ない
- ・保険金額が低い
- ・旅行中のサポートが少な目
といったことが起こりがちです。
あなたが持っているクレジットカードの補償内容を見て、補償項目や保険金額が足りないと感じる場合は別途任意加入の海外旅行保険に加入することをオススメします。逆に補償内容が充分であればクレジットカード付帯の海外旅行保険だけで問題ありません。
1-1.保険付帯のクレジットカードを複数枚持っている場合は?
では、海外旅行保険付帯のクレジットカードを2枚以上持っている場合はどうなるのでしょうか?
まず、死亡・後遺障害は各クレジットカードの中で最も高額に設定されている保険金額が適用されます。
- ・カードA:300万円
- ・カードB:200万円
- ・カードC:100万円
死亡・後遺障害:
最大300万円
それ以外の補償については各クレジットカードの保険金額を合算した金額が補償上限額となります。
※あくまで上限額であり、必ず上限額が補償されるわけではありません。
- ・カードA:300万円
- ・カードB:200万円
- ・カードC:100万円
最大600万円
※法人カードの場合、保険金の計算方法が変わります。詳細は各カード会社にご確認ください。
このように複数のクレジットカードを組み合わせる方法については、以下の記事に記載しています。
オススメの組み合わせ方を3つのパターンに分けて解説しているので、複数枚クレジットカードを持っている場合は参考にしてみてください。
2.利用付帯とか自動付帯って何?クレジットカード付帯の海外旅行保険について解説!
そもそもクレジットカード付帯の海外旅行保険とはどのようなものでしょうか?
まず、海外旅行保険とは海外旅行中の病気やケガの治療、持ち物の盗難などで発生した損失を補償する保険のことです。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、クレジットカード自体にこの保険が付帯されているもののことを指します。
クレジットカード付帯の海外旅行保険には以下のような特徴があります。
- ・加入の申し込みがない
- ・保険料の支払いがない
- ・補償項目や保険金額が抑え目
また、カード付帯の海外旅行保険には、以下の通り2つの種類があります。
- ・利用付帯
- ・自動付帯
それぞれについて簡単に解説します。
2-1.クレジットカード付帯の海外旅行保険(利用付帯)
利用付帯は、カード会社が指定する条件を(適用条件)を満たすことで保険が適用されます。
適用条件はカードによってさまざまですが、旅行中の移動費や買い物の支払いを、指定のカードで行う等の条件が多くなっています。
保険が適用されていると思っていたら適用外で、無保険状態で海外に出発してしまったという話もあります。
必ず旅行前に適用条件を満たしているか確認しましょう。
適用条件については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらの記事もあわせてご確認ください。
2-2.クレジットカード付帯の海外旅行保険(自動付帯)
自動付帯の海外旅行保険が付帯されている場合は、クレジットカードを所持しているだけで、保険が適用されます。
利用付帯のように、適用条件を満たす必要もないので、使い勝手が非常に良いです。
しかし、前は自動付帯だったけど、いつの間にか仕様が変わって利用付帯になっていたということもあるので、こちらも旅行前に必ず確認をしましょう。
自動付帯については、以下の記事でより具体的に解説しています。
旅行出発前に、こちらの記事も読んでみてください。
3.クレジットカード付帯の海外旅行保険の使い方とは?
では、クレジットカード付帯の海外旅行保険はどのように使えばいいのでしょうか?
クレジットカードの海外旅行保険を使用する際は一般的にはクレジットカード会社が掲載している電話番号にて申請を行うケースが多いです。最近は専用のアプリから申請できることもあります。
トラブルが発生してパニックになった時でもすぐに連絡できるように、旅行前に連絡方法と連絡先を確認しておきましょう。
また、申請の際は事前に明示されている書類の用意が必要です。
(例:保険金請求書、事故証明書、医師の診断書など)
こちらも旅行前に必要となる書類を確認しておきましょう。
また海外旅行保険の使い方は、以下の記事で詳しく解説しています。
具体的な保険金の請求方法を、5ステップで解説しているので、事前に調べておきたい場合はチェックしてみてください。
4.クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償項目
クレジットカード付帯の海外旅行保険には、どのような補償項目があるのでしょうか?
ここでよくある補償項目の例を解説していきます。
補償項目 | 内容 |
---|---|
治療費用 |
旅行中のケガや病気が原因で治療を受けた場合に、治療にかかった費用が支払われます。 ※クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合は、治療費用がケガ(傷害治療費用)と病気(疾病治療費用)で支払われる保険金の限度額が異なることもあります。 |
救援者費用 |
旅行中のケガや病気が原因で旅行先の病院に入院し、親族が現地の病院まで駆け付けた場合に下記費用が支払われます。 ・現地までの往復運賃 ・ホテル等の宿泊費 など |
傷害後遺障害 | 旅行中のケガが原因で後遺障害が生じた場合に、障害の程度に応じて保険金が支払われます。 |
傷害死亡 | 旅行中のケガが原因で亡くなった場合に支払われます。 |
疾病死亡 |
旅行中に発病した病気が原因で亡くなった場合に支払われます。 ※クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合は、対象外となる場合があります。 |
携行品損害 | 旅行中に、携行品(衣類やパスポートなど旅行に持って行ったもの)が壊れてしまったり、盗難被害にあった場合に、修理費用などが支払われます。 |
航空機寄託手荷物遅延 | 搭乗時に航空会社に預けた手荷物が、航空機が目的地に到着後、一定時間を経過しても目的地に届かなかった場合、衣服や生活必需品等の購入費が支払われます。 |
賠償責任 | 旅行中に誤ってホテルの備品やレンタル品などを破損してしまった場合の損害賠償金が支払われます。 |
※あくまで一般的な補償項目であり、カードによって付帯される補償項目は変わります。詳細は各保険会社・カード会社にご確認ください。
※当社が提供している海外旅行保険はクレジットカード付帯の海外旅行保険ではなく、任意加入の海外旅行保険となっています。
5.【比較図】クレジットカード付帯と任意加入の海外旅行保険の違い
「クレジットカード付帯の海外旅行保険はあるけど少し心配。任意加入の保険にも入った方がいいのだろうか…?」
そんな人のために、2つの保険についてそれぞれの特徴をまとめました。特徴を把握して上手な保険選びをしていきましょう。
クレジットカード付帯 |
|
---|---|
任意加入 |
|
では、1つずつ具体的に解説していきます。
5-1.クレジットカード付帯の海外旅行保険
5-1-1.保険料の支払いがない
クレジットカード付帯の海外旅行保険はクレジットカードに付帯されているサービスなので保険料の支払いがありません。
ただし、ツアー代金や航空機のチケット代、空港までの公共交通機関の費用などをクレジットカードで支払うことが適用条件になっていることが多いので事前に確認しておきましょう。
5-1-2.旅行のたびに手続きをする必要がない
クレジットカード付帯の海外旅行保険では、適用条件を満たせば保険が適用されるので、旅行のたびに加入手続きをする必要はありません。
また、自動付帯の場合は、クレジットカードを所持しているだけで保険が適用されます。
自動付帯については、以下の記事で解説しています。
自動付帯についてもっと詳しく調べたい場合は読んでみてください。
5-1-3.保険期間が長いものが多い
留学保険を除く海外旅行保険では保険期間が30日までのものが多いのと比較して、クレジットカード付帯の海外旅行保険は保険期間が60~90日と長いものが多いです。
急なトラブルや何かしらの理由で旅行日数が延長となった場合でも保険期間延長の手続きや保険料の追加支払いは発生しません。
5-1-4.補償項目が少ないことがある
クレジットカードのグレードにもよりますが、クレジットカード付帯の海外旅行保険は補償項目が少ないことがあります。
たとえば、「疾病死亡」などが補償項目から外れているクレジットカードも存在します。
このように補償項目が限定されていることがあるので、どんな補償があるのか事前に確認しておきましょう。
5-1-5.保険金額が十分でないことがある
こちらもクレジットカードのグレードにもよりますがクレジットカード付帯の海外旅行保険では保険金額が十分でないこともあります。実際、任意加入の保険と比較して保険金額が低い事例も存在します。
保険金額についても旅行に行く前に補償内容を確認しておくことを強くオススメします。
5-2.任意加入の海外旅行保険
5-2-1.補償項目や保険金額が手厚い
任意加入の海外旅行保険の一番の特徴は補償項目や保険金額が充実していることです。ケガ、病気、賠償など旅行先で起こる様々なトラブルへの補償が用意されています。
また、保険金額についてもプラン選択で手厚い補償を設定できます。
内容にもよりますが、保険金額が手厚いので、保険金額以上の費用が発生して自己負担が発生する確率も低いでしょう。
※一部クレジットカードでも任意加入の海外旅行保険と同等の補償内容が用意されていることがあります。
5-2-2.トラブルの際に役に立つサービスが豊富
補償項目や保険金額だけではなくトラブルの際にサポートしてくれるサービスが充実しています。
たとえば、
- ・緊急時にすぐに電話がつながって日本語で対応してくれるアシスタントサービス
- ・近くの提携病院への案内
- ・病院での通訳の手配
このように保険会社ごとに様々なサービスが用意されています。
※具体的なサービス内容については各保険会社のホームページをご覧ください。
保険金の支払いだけではなく旅行先での対応についてもサポートしてくれるのは特徴の1つと言えるでしょう。
※一部クレジットカードでは任意加入の海外旅行保険と同等のサービスが用意されていることがあります。詳しくはお持ちのクレジットカード会社のホームページをご確認ください。
5-2-3.加入の申し込みや保険料の支払いが必要
クレジットカード付帯の海外旅行保険と違って、任意加入の海外旅行保険は加入の申し込みや保険料の支払いが発生します。
今はWeb上で加入できる保険も増えており、リーズナブルなプランも用意されていますが申し込みや保険料の支払い自体は必ず発生します。
5-2-4.旅行のたびに申し込みや保険料の支払いが必要になる
任意加入の海外旅行保険は旅行に行くたびに申し込みや保険料の支払いが発生します。
頻繁に旅行に行く人にとってはこの手間は煩わしいですし保険料もかさんでしまいます。
サービスの手厚さとのトレードオフになってしまいますが、この点は要注意と言えるでしょう。
5-2-5.場合によっては加入できないこともある
任意加入の海外旅行保険にはある一定の加入条件があることが多いです。
たとえば、
- ・年齢
- ・現在の健康状態
- ・渡航先
- ・旅行先での行動
- ・過去の請求歴
このような部分で加入できないこともあります。
出発前日に申し込みをしようと思ったら加入できなかったとならないように事前に加入条件を確認しておきましょう。
※具体的な加入条件は各保険会社のホームページでご確認ください。
6.クレジットカード付帯の海外旅行保険の注意点とは?
クレジットカード付帯の海外旅行保険は申し込む手間がなかったり、保険料の支払いがないなど便利なサービスですが、一方で注意すべき点もいくつか存在します。
この注意点を見落とすと補償が受けられなかったり、補償があったにも関わらず自己負担が発生してしまったなどのトラブルが起こることがあります。事前に確認して補償が受けられる準備を整えておきましょう。
6-1.利用するには適用条件を満たす必要がある
クレジットカード付帯の海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。
自動付帯はクレジットカードを所持しているだけで保険が適用されますが、一方で利用付帯はカード会社が指定する適用条件を満たす必要があります。
(例:旅費の一部を指定のクレジットカードで決済するなど)
クレジットカードに海外旅行保険が付帯していても、適用条件を満たしていないと補償を受けられません。
事前に適用条件を把握して、クリアできているか確認しておきましょう。
また、利用付帯の適用条件については、以下の記事で細かく解説しています。
よくある一般的な適用条件についても一覧で書いているので、確認してみてください。
6-2.カードによっては家族が補償されないこともある
クレジットカード付帯の海外旅行保険には家族も補償対象となる家族特約が付帯していることがあります。
1つのカードで家族にも保険が適用されるので便利ではありますが、クレジットカードによっては家族特約がないパターンもあります。
他にも補償項目や保険金額がクレジットカードを所持している本人よりも抑え目なこともあるので、旅行前に内容を確認しておきましょう。
6-3.複数のクレジットカードがあっても保険金が二重で支払われることはない
海外旅行保険付帯のクレジットカードを複数枚所持していても支払われる保険金は増えません。たとえば治療救援費用が、
- ・カードA:200万円
- ・カードB:100万円
- ・カードC:100万円
このように保険が適用されるケガをして、仮に治療に100万円の費用がかかった場合でも保険金の支払額は最大100万円です。
各カード会社から100万円ずつ保険金が支払われて300万円になったりはしないので要注意です。
7.よくある質問
ここからは海外旅行保険についてよくある質問について回答していきます。
7-1.クレジットカード付帯の海外旅行保険があれば任意加入の海外旅行保険は入らなくても大丈夫だよね?
結論から言うと、“補償項目と保険金額次第では入らなくても大丈夫”となります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は申し込みや保険料の支払いがない分、補償項目が一部に限定されていたり、保険金額が低いことがあります。
あなたが検討しているクレジットカード付帯の海外旅行保険の補償項目や保険金額が十分なものであればクレジットカード付帯のもので大丈夫です。しかし、もし不十分であれば任意加入の海外旅行保険に加入することをオススメします。
任意加入の海外旅行保険に加入すべきかについては、以下の記事で解説しています。
カード付帯の海外旅行保険と任意加入の海外旅行保険で迷っている場合は、あわせて読んでみてください。
7-2.任意加入の海外旅行保険とクレジットカード付帯の海外旅行保険の両方があると二重で保険料を受け取れるの?
基本的に保険金を二重で受け取ることはできません。2つの保険を組み合わせることで保険金額を上げることはできますが、補償されるのは発生した損失分のみです。
たとえば治療救援費用が以下のように設定されているとします。
- ・クレジットカード付帯:200万円
- ・任意加入:1,000万円
この状態で仮にケガをして治療に100万円の費用がかかった場合でも支払われる保険金は最大100万円です。各会社から100万円ずつ保険金が支払われて200万円にはならないのでご注意ください。
ただし、死亡・後遺障害については2つの保険の死亡・後遺障害補償を合算した保険金を受け取ることができます。たとえば、死亡補償が以下のように設定されているとします。
- ・クレジットカード付帯:1,000万円
- ・任意加入:1,000万円
この状態で死亡事故が発生してしまった場合は、両方の保険金を合算した2,000万円が支払われます。
※法人カードの場合、保険金の計算方法が変わります。詳細は各カード会社にご確認ください。
7-3.数時間後にはもう出発なんだけど今から保険に入るのはもうムリだよね?
保険にもよりますが出発当日でも海外旅行保険への申し込みは可能です。ただし当日お申し込みの場合、
- ・条件によっては加入不可
- ・保険料の支払い方法が限定される
- ・一部の補償が適用されない
などの制限が発生することもあります。
詳しくは各保険会社のホームページをご確認ください。
7-4.韓国旅行や台湾旅行みたいな短期の旅行の場合、保険はクレジットカードで充分だよね?
韓国旅行や台湾旅行等で短期の旅行となる場合でも、トラブルによって高額な自己負担が発生する可能性はあります。
もちろん旅行期間が短い分、長期の旅行と比較して、トラブルが発生する確率は下がるでしょう。
しかし、トラブル発生の可能性がゼロではない以上、補償項目と保険金額をしっかり確認した上で、クレジットカード付帯の海外旅行保険と任意加入の海外旅行保険のどちらにするか選択することをおすすめします。
韓国旅行に行くときに、保険に加入すべきかについては、以下の記事で解説しています。
今後、韓国旅行に行く予定がある場合は、チェックしてみてください。
8.クレジットカード付帯の海外旅行保険で十分かはこの2つで判断しよう!
これから海外旅行に行こうと思っているけど、クレジットカード付帯の保険で大丈夫か迷っている…。
この記事を最後まで読んでいるあなたはきっとそんな悩みを持っているはず。
そんなときは以下の2点をチェックしてみてください。
- ・補償項目
- ・保険金額
この2つを見て、これで大丈夫と感じるならクレジットカード付帯の保険で十分でしょう。逆に補償内容に不安を感じるのであれば別途任意加入の海外旅行保険に加入することをオススメします。
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