クレジットカード付帯の海外旅行保険(利用付帯)の適用条件を事例付きで解説!

クレジットカード付帯の海外旅行保険(利用付帯)の適用条件を事例付きで解説!

「クレジットカードの海外旅行保険で備えたいけど利用付帯って何だろう?」
「適用条件ってあるけど、何かしないといけないのかな?」

今回はクレジットカード付帯の海外旅行保険における「利用付帯」と「適用条件」について解説していきます。

具体的には、

  • ・電車賃でもOK?クレジットカード付帯の海外旅行保険(利用付帯)の適用条件
  • ・利用付帯の海外旅行保険における5つの注意点
  • ・クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償項目を解説!

などを書いていきます。

利用付帯とは、カード会社が指定する適用条件を満たすことで、海外旅行保険が適用される仕組みのことです。
主に旅行に関係する代金のカード決済が条件になっていることが多いです。
具体的にどのような条件が多いのかなども書いていくので、記事を通じて利用付帯への理解を深めていきましょう。

1.無料で補償される?利用付帯と自動付帯の違い

クレジットカードの海外旅行保険には「利用付帯」「自動付帯」の2種類があります。

利用付帯の場合は、カード会社が定めている条件(適用条件)を満たすと保険が適用されます。
自動付帯の場合は、カードを所持しているだけで保険が適用されます。

利用付帯 特定の条件を満たすと保険が適用される
自動付帯 カードを所持しているだけで適用される

ご自身が所持しているカードが利用付帯の場合は、どのような適用条件が指定されているのか確認しておくようにしましょう。

また、自動付帯については、以下の記事で解説しています。
利用付帯と同じ点や違う点などを、より詳しく知りたい場合は参考にしてみてください。

クレジットカード付帯の海外旅行保険は自動付帯が理想?
11の要素に分けて利用付帯と徹底比較!

2.電車賃でもOK?クレジットカード付帯の海外旅行保険(利用付帯)の適用条件

利用付帯ではクレジットカード会社ごとに、それぞれ適用条件が定められています。

では、実際どのような適用条件があるのでしょうか?

ここで、よくある一般的な適用条件を解説していくので参考にしてみてください。

注意点として、カードにもよりますが、基本的にはいずれか1つの適用条件を満たせば保険が適用されます。
全ての条件を満たす必要はないので、ご留意ください。

※下記で解説するのはあくまで一般的な適用条件となっており、具体的な適用条件はカードによって異なります。詳しくはカード会社のホームページをご確認ください。

2-1.日本出国前に電車などの公共交通乗用具の利用代金をクレジットカードで決済する

日本出国前に、電車、航空機、船舶、バス、タクシーなどの公共交通乗用具の利用代金をクレジットカードで決済することで、保険が適用されます。

2-2.日本出国前に電車などの公共交通乗用具の乗車券を予約してクレジットカードで決済する

日本出国前に、電車、航空機、船舶、バス、タクシーなどの公共交通乗用具の乗車券を予約して、その代金をクレジットカードで決済することで、保険が適用されます。

2-1との違いは、公共交通乗用具の利用代金をその場で支払うか、事前に乗車券を予約して支払うかという部分になります。

2-3.日本出国前に宿泊を伴う募集型企画旅行の旅行代金をクレジットカードで決済する

日本出国前に、宿泊を伴う募集型企画旅行の旅行代金をクレジットカードで決済することで保険が適用されます。

たとえば、旅行ツアーの代金をカードで決済を行うなどが該当します。

2-4.日本出国後に電車などの公共交通乗用具の利用代金をクレジットカードで決済する

日本出国後に、電車、航空機、船舶、バス、タクシーなどの公共交通乗用具の利用代金をクレジットカードで決済することで、保険が適用されます。

たとえば、海外で電車やタクシーに乗った際にカードで支払いをするなどが該当します。

万が一、出国前に適用条件を満たせていなくても、この条件であれば、利用代金の決済後から保険を適用させることができます。

ただし、保険が適用されていない状態で海外に行くのは、非常に危険です。
外務省も推奨しているように、出国前に保険に加入することをおすすめします。

3.利用付帯の海外旅行保険における5つの注意点

利用付帯の海外旅行保険は適用条件を満たすことで保険が適用されますが、一方で注意すべき点もあります。

ここで、その注意すべき点を5つ紹介するので、参考にしてみてください。

3-1.クレジットカードで決済した証明ができる書類やPDFを保管しておく

利用付帯の海外旅行保険では、旅費に関わる支払いをクレジットカードで決済することが適用条件に含まれていることが多いです。

なので、カードで決済したことを証明できる書類やPDFは、旅行が終わるまで保管しておきましょう。

万が一、海外でトラブルにあって帰国後に保険金の請求をするときに、証明が必要になる可能性があるからです。

事前にクレジットカードで決済した場合、それらの書類は旅行へ持っていく必要がないので、旅行を終えて帰宅するまで自宅で保管しておきましょう。

3-2.自動付帯よりも補償内容が充実しているとは限らない

クレジットカードの海外旅行保険では、自動付帯よりも利用付帯の方が、補償内容が充実していることが多いです。

しかし、一部のランクの高いカードであれば自動付帯にも関わらず、利用付帯よりも補償内容が充実していることもあります。

複数のカードを所持している場合は、それぞれのカードを比較して、どの海外旅行保険で備えるか決めましょう。

3-3.キャッシュレス診療などのサポートサービスが付帯しているか確認する

クレジットカードの海外旅行保険は便利ですが、場合によってはキャッシュレス診療などのサポートサービスが付帯されていないことがあります。

現在では、多くのカードがサポートサービスを充実させていますが、念のためにどのようなサービスが付帯しているか確認しておきましょう。

3-4.家族特約が付帯しているかはカードによって変わる

クレジットカードの中には、カードの所持者だけではなく、その家族にも保険が適用される家族特約が付帯されているものがあります。
家族特約があれば、カード1枚で家族全員に保険が適用されるので、非常に便利です。

しかし、家族特約が付帯されているかはカードによって変わってきます。
また、家族特約が付帯されていても、カードの所持者よりも補償内容が控えめになっていることもあります。

他にも、家族カードを持っていないと保険の適用外になってしまうなどの適用条件が設定されていることもあります。

家族特約の有無や補償内容、適用条件などはカードによって変わってくるので、必ず旅行前に確認するようにしましょう。

3-5.保険期間は多くの場合で90日までとなっている

クレジットカードの海外旅行保険では、保険期間が90日までとなっているケースが多いです。

その場合、91日以降の期間は保険の適用外になってしまいます。

91日以上の旅行に行く場合は、保険期間に不足がないか確認するようにしましょう。

4.複数のクレジットカードもしくは自動付帯と組み合わせられる?

クレジットカードの海外旅行保険では、複数のカードを組み合わせて使うことができます。

たとえば、自動付帯と利用付帯のカードを持っていれば、自動付帯の保険を適用させつつ、利用付帯の適用条件を満たすことで、補償内容をより充実させられます。

ただし、組み合わせ方によって、保険金額の合算方法が変わってきます。

具体的には、以下のような違いがあります。

傷害死亡・傷害後遺障害 それ以外の補償
複数のクレジットカード付帯の海外旅行保険に加入 最も高額に設定されている保険金額が適用される 各保険の保険金額を合算した金額が上限となる
クレジットカード付帯の海外旅行保険と任意加入の海外旅行保険に複数加入 各保険の死亡・後遺障害補償の保険金額の合算が適用される

※法人カードの場合、保険金の計算方法が変わります。詳細は各カード会社にご確認ください。

このように傷害死亡・後遺障害補償については複数カードを組み合わせるか、カードと任意加入の海外旅行保険と組み合わせるかによって、合算方法が変わります。

こういった海外旅行保険の組み合わせについては、以下の記事で詳しく解説しています。
パターン別オススメの組み合わせ方なども解説しているので、チェックしてみてください。

クレジットカード付帯の海外旅行保険は組み合わせて使える?組み合わせる保険の選び方も解説!

5.クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償項目を解説!

クレジットカードの海外旅行保険では、さまざまな補償項目が付帯されています。

では、どのような補償項目があるのか、ここで一般的な補償項目について解説します。
表にまとめて1つずつ解説しているので、参考にしてみてください。

補償項目 内容
治療費用 旅行中のケガや病気が原因で治療を受けた場合に、治療にかかった費用が支払われます。

※クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合は、治療費用がケガ(傷害治療費用)と病気(疾病治療費用)で支払われる保険金の限度額が異なることもあります。

救援者費用 旅行中のケガや病気が原因で旅行先の病院に入院し、親族が現地の病院まで駆け付けた場合に下記費用が支払われます。
・現地までの往復運賃
・ホテル等の宿泊費 など
傷害後遺障害 旅行中のケガが原因で後遺障害が生じた場合に、障害の程度に応じて保険金が支払われます。
傷害死亡 旅行中のケガが原因で亡くなった場合に支払われます。
疾病死亡 旅行中に病気で亡くなったり、旅行中に発病した病気が原因で亡くなった場合に支払われます。

※クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合は、対象外となる場合があります。

携行品損害 旅行中に、携行品(衣類やパスポートなど旅行に持って行ったもの)が壊れてしまったり、盗難被害にあった場合に、修理費用などが支払われます。
航空機寄託手荷物遅延 搭乗時に航空会社に預けた手荷物が、航空機が目的地に到着後、一定時間を経過しても目的地に届かなかった場合、衣服や生活必需品等の購入費が支払われます。
賠償責任 旅行中に誤ってホテルの備品やレンタル品などを破損してしまった場合の損害賠償金が支払われます。

※あくまで一般的な補償項目であり、カードによって付帯される補償項目は変わります。詳細は各保険会社・カード会社にご確認ください。

※当社が提供している海外旅行保険はクレジットカード付帯の海外旅行保険ではなく、任意加入の海外旅行保険となっています。

6.クレジットカード付帯の海外旅行保険(利用付帯)の使い方とは?

クレジットカードの海外旅行保険は便利ですが、慣れていないとどのように保険金を請求したらいいかわからなくなることもあると思います。

基本的には、トラブル発生後にカード会社のサポートデスクや問い合わせ先に連絡をすることになります。
そこで、トラブルが発生したことや保険金の請求をしたい旨を伝えれば、必要な書類や手続きのやり方を教えてもらえます。

あとは、教えてもらった通りに書類を準備して、保険金の請求をすればOKです。

この辺りの具体的な使い方については、以下の記事でステップバイステップで詳しく解説しています。
カード会社への保険金請求方法がわからないよという場合は、あわせて読んでみてください。

クレジットカード付帯の海外旅行保険の使い方を5ステップで解説!申請時の注意点とは?

7.海外旅行保険はクレジットカード付帯のもので十分なのか?

海外旅行に行くときには、海外旅行保険が欠かせません。

では、クレジットカードの海外旅行保険で補償内容は十分なのでしょうか?

結論から書くと、

“補償項目”と“保険金額”が十分ならOK

となります。

補償項目と保険金額を見て、自分が望む補償内容と思えるのであればカード付帯の海外旅行保険で十分でしょう。

逆に、不足していると思ったり、不安を感じた場合は十分とは言えないでしょう。
その場合は、別途カード付帯の海外旅行保険を組み合わせたり、任意加入の海外旅行保険に加入することをオススメします。

カード付帯の海外旅行保険と任意加入の海外旅行保険の違いについては、以下の記事で細かく解説しています。
それぞれ5つの要素に分けて特徴を書いているので、どちらで備えるか迷っている場合はチェックしてみてください。

海外旅行保険はクレジットカードで十分?
知っておくべき注意点とは?

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