海外旅行に航空機遅延補償は必要か?海外旅行保険のメリットも解説!
「航空機の遅延対策に保険って必要なんだろうか?」
「そもそも海外旅行保険って必要なの?なくても大丈夫じゃない?」
今回はそんな疑問に対して、航空機遅延補償や海外旅行保険の必要性について解説します。
具体的には、
- ・【結論】加入した方が良い?航空機遅延に関する保険は必要なのか?
- ・【重要】航空機遅延補償が必要な理由とは?
- ・海外旅行保険とはどんな保険なのか保険会社が解説!
などを書いていきます。
結論から書くと、航空会社が用意している補償は対象範囲が限定的なので、その内容を見て十分だと思えるかが大事です。
十分だと思えるなら保険に加入する必要はないですし、そうでないなら別途海外旅行保険への加入をおすすめします。
航空機遅延補償に対する理解を深めて、自分にあった保険が選べるようになりましょう。
目次
1.【結論】加入した方が良い?航空機遅延に関する保険は必要なのか?
航空機遅延に関する保険は「加入した方が良い」でしょう。
理由としては、以下のような点が挙げられます。
- ・航空会社の用意している補償は、対象範囲が限定的
- ・LCCの場合は、そもそも補償がない
- ・航空会社による補償がなかった時に、思わぬ出費が発生することもある
このような理由から、万が一の時に備えて、保険が必要と考えることができます。
2.航空会社が用意している補償について
航空機に関連する補償については、保険会社が用意している航空機遅延補償とは別に、航空会社ごとに一定の補償が用意されています。
しかし、航空機が遅延や欠航した際に、必ず補償があるわけではなく、「遅延・欠航となった原因」によって補償の有無が変わります。
※基本的に食費や宿泊費への補償はなく、代替便への振替か、航空券の払い戻し対応となるケースが多いです。
また、航空会社によっては補償が用意されていないこともあり、このような場合は、いかなる理由であろうと発生した費用が補償されることはありません。
2-1.航空会社に責任がある遅延や欠航は補償対象となる
遅延・欠航の理由が、「航空会社側の原因によるトラブル」だった場合、航空会社が用意している補償の対象になることがあります。
航空会社側に原因があるトラブルとは、たとえば、
- ・機材の故障
- ・使用機材の到着の遅れ
などです。
こういったトラブルが理由で遅延・欠航となった場合、遅延・欠航によって発生した交通費や宿泊費などを、航空会社が補償してくれることがあります。
ただし、補償範囲や補償額などについては限りがあるので、航空会社のWebサイト等で確認しましょう。
2-2.航空会社に責任がない遅延や欠航は補償の対象外となる
その一方で、悪天候や天災(地震など)、空港閉鎖など「航空会社に責任がない」遅延・欠航は、補償の対象外となります。
この場合、遅延・欠航によって交通費や宿泊費などの費用が発生しても、自己負担となります。
2-3.LCCはほとんどの場合で補償がない
またLCCの場合、遅延・欠航時の補償はなく、対応としては、
- ・後続の代替便に振替
- ・航空券の払い戻し対応
上記のどちらかになることがほとんどですので、注意が必要です。
3.【重要】航空機遅延補償が必要な理由
悪天候や天災などが原因の遅延・欠航や、LCCを使う場合、航空会社からの補償はありません。
そこで、「航空機遅延補償」がついている保険への加入をおすすめします。
この補償では、航空会社が補償しないケースやLCCを使う場合でも、
- ・交通費や宿泊費
- ・食事代
- ・遅延によって受けることができなかった旅行サービスのキャンセル料
など、突発的に発生した諸費用が補償されます。
※「航空機遅延補償」については、以下の記事で詳しく解説しています。具体的な補償内容等を知りたい場合は参考にしてみてください。
3-1.航空機が遅延・欠航した場合の費用が自己負担になってしまうから
航空機が遅延・欠航した場合、
- ・振替便が翌日以降となったため、空港近くで宿泊しなくてはならなくなった
- ・乗り継ぎ便に接続できず、振替便を待つ間に宿泊もしくは食事を行う必要が生じた
- ・交通機関の運行が終わってしまい、目的地までタクシーで向かうもしくは宿泊する必要が生じた
などといったことが起こる可能性があり、宿泊費や食事代、交通費等が発生します。
しかし、悪天候による遅延など、航空会社の補償がない場合、これらの費用は自己負担となってしまいます。
なお、海外旅行保険によっては、以下のような条件が設定されていることがあります。
- ・旅行出発日の前日までの加入が必須条件になっている。
- ・補償開始前に飛行機の遅延・欠航が決まっていた場合、保険金のお支払い対象とならないことがある。
詳しくは各保険商品の約款をご確認ください。
3-2.航空機の補償は範囲が限定的であることが多いから
航空機が遅延・欠航した場合、航空会社は代替便の用意や航空券の払い戻しなどの対応をするケースが多いです。
ただし、それ以外の費用については補償されない場合がほとんどと、補償の範囲がかなり限定的です。
過去には食費や宿泊費が補償されたという話もありますが、それも航空会社に責任がある欠航・遅延が前提となっており、悪天候や空港の閉鎖では補償されないなど、こちらもかなり限定的な扱いとなります。
このように補償自体はあるものの、範囲が限定されるケースが多くなっています。
3-3.実際に航空機に関するトラブル事例が存在するから
次に、過去に発生した航空機遅延の事例をご紹介します。
以下の表にまとめたので、航空機遅延のイメージが湧かない場合は参考にしてみてください。
事例内容 | 発生した費用 |
---|---|
グアムにて台風のために帰国便が欠航となり翌日の便となった。ホテルの宿泊代、食事代が発生。 | 約7,000円 |
アメリカにて目的地空港の悪天候により、到着空港が変更となった。変更後の空港から本来の目的地空港までの交通費が発生。 | 約10,000円 |
香港にてデモの影響で航空機が欠航。現地で食事代が発生した。 | 約4,000円 |
(エイチ・エス損保調べ)
このように、航空機に関するトラブル事例はいくつも存在します。
また、上記のような事例は、航空会社の補償対象外になる可能性が高いですが、航空機遅延補償であれば補償対象になります。
4.海外旅行保険とはどんな保険なのか?加入するメリットを保険会社が解説!
海外旅行保険とは傷害保険の1つで、海外旅行に特化した補償が付帯されています。
加入することで海外旅行中に起きたトラブルによって発生した損害が補償されます。
では、加入することでどのようなメリットがあるのか、いくつか解説します。
4-1.航空機に関連した補償が付帯していることがある
海外旅行保険では、「航空機遅延補償」以外にも、「航空機寄託手荷物遅延※」という補償が付帯していることがあります。
※航空機寄託手荷物遅延:航空会社に預けた手荷物が一定時間以上経っても届かなかった場合、衣類などの生活必需品の購入にかかった費用が補償されるものです。
航空機遅延以外の航空機にまつわるトラブル対応ができるようになるのも、海外旅行保険に加入するメリットです。
※航空機寄託手荷物遅延補償については、以下の記事で詳しく解説しています。航空機関連のトラブルへの備えを万全にしたい場合は読んでみてください。
4-2.航空機遅延以外のトラブルの多くに対応できる
航空機関連のトラブル以外にも、
- ・旅行中のケガや病気の治療費の補償
- ・スーツケースなどの携行品が壊れたりした時の修理費用等の補償
- ・お店やホテルのものを壊してしまった時の賠償費用
など、旅行中のトラブルによって発生した様々な費用が補償されます。
補償が手厚いものもあれば、保険料が安いものもあるなど、保険商品によって特徴は様々ですので、自分にあった商品は何か調べてみると良いでしょう。
4-3.補償以外にサポートサービスを受けられることが多い
補償以外にも、
- ・24時間365日 日本語でのトラブルサポート
- ・病院での治療費の立替が不要になるキャッシュレス医療サービス
- ・医師や病院の紹介・手配
など、色々なサポートサービスが用意されていることもあります。
特に「24時間いつでも日本語でサポートしてくれる」「キャッシュレス医療サービス」が用意されている海外旅行保険がおすすめです。
また、保険商品によっては、航空機が運休・欠航した際に新たな航空券を手配してくれることもあります。
5.“任意加入の海外旅行保険”と“クレジットカード付帯の海外旅行保険”の違い
一口に「海外旅行保険」といっても、自ら保険料を払って加入する”任意加入の海外旅行保険”と、”クレジットカードに付帯している海外旅行保険”があります。
では、航空機遅延補償においてはどちらが良いのでしょうか。
任意加入 |
・保険商品によっては、オプションとして付ける必要がある ・航空機遅延補償を付けるには、「出発〇日前までに加入する必要あり」といった条件が設定されていることもある |
---|---|
クレジットカード付帯(自動付帯) | ・カードを所持しているだけで補償を受けられる |
クレジットカード付帯(利用付帯) | ・航空券代の支払いをそのカードで行う必要があるなど、補償を受けるのに条件がある |
任意加入、クレジットカード共に、上記のような注意事項があるので加入前によく調べることが大切です。
任意加入とクレジットカードの違いについては以下の記事で細かく解説しているので、こちらから確認してください。
6.高い?低い?航空機の遅延率を解説!
では、実際に航空機はどれくらいの頻度で遅延しているのでしょうか。
JALとANAが発表しているデータから算出した2019年の遅延率は以下の通りでした。
(遅延率:航空機の内、出発予定時刻よりも15分を超えて出発した割合のことを指します)
JAL | 約12.9% |
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ANA | 約15.7% |
これは約10本に1本が遅延していることになります。
航空機遅延補償では、遅延した場合でも「一定時間以上※かつ代替便がない場合」と基準があるため、少しでも遅延すれば補償されるというわけではありません。
※多くの場合で6時間以上に設定されています。
しかし、航空機が遅れることで旅行スケジュールに影響が出てしまう中、さらに追加の費用まで発生することを避けるためにも「航空機遅延補償」への加入をおすすめします。