ロストバゲージ用の保険?
航空機寄託手荷物遅延補償とは
「航空機寄託手荷物遅延補償ってどんな補償なんだろう?」
「ロストバゲージしたときは補償対象になるのかな?」
今回は海外旅行保険の補償の1つである、航空機寄託手荷物遅延補償について解説していきます。
具体的には、
- ・ロストバゲージ用の保険?航空機寄託手荷物遅延補償とは
- ・航空機寄託手荷物遅延補償の過去の支払い事例
- ・クレジットカード付帯の海外旅行保険に航空機寄託手荷物遅延補償は付帯されるのか
などを書いていきます。
ロストバゲージとは、航空機に搭乗するときに空港の出発カウンターで預けた寄託手荷物が、行方不明となることです。
航空機寄託手荷物遅延補償は、このロストバゲージに備えた補償です。
他にもロストバゲージの発生確率や紛失した荷物が見つかる確率、保険金の請求方法についても解説するので、気になるところから読んでみてください。
目次
1.ロストバゲージ用の保険?航空機寄託手荷物遅延補償とは
航空機寄託手荷物遅延補償とは、
出発前に航空会社に預けた手荷物が、航空機が目的地に到着後一定時間経過しても目的地に届かなかった場合に発生する生活必需品など次の購入費用等を補償する保険
です。
- <補償対象となる費用の一例>
- ・衣類購入費:普段着、下着、寝間着などの衣類
- ・生活必需品購入費:カミソリや歯ブラシなどの洗面用品等
- ・身の回り品購入費:生活必需品を持ち歩くためのかばんなど
補償対象となる費用や保険金額は、保険商品によって異なりますので、加入前に必ずチェックしておくようにしましょう。
※エイチ・エス損保の海外旅行保険たびともにおける航空機寄託手荷物遅延補償については、こちらからチェックできます。
2.航空機寄託手荷物遅延補償は必要なのか
結論から書くと、海外旅行時に、航空機寄託手荷物遅延補償は付帯させておくことをおすすめします。
手荷物を航空会社に預ける以上、ロストバゲージが発生する可能性はゼロではありません。
以下のようなケースの場合、ロストバゲージが発生する確率は高くなるでしょう。
- ・1回以上乗り継ぎが発生する場合
- ・預ける手荷物の数が複数ある場合 など
航空機の乗り継ぎがある場合、空港での乗り継ぎタイミングでロストバゲージが発生する可能性があります。
また、預ける手荷物が複数ある場合、「荷物のうち1つ届かないものがあった」といった事態になることもあります。
上記のことを考慮したときに、航空機寄託手荷物遅延補償を付帯するとロストバゲージへの備えになるのでおすすめです。
2-1.ロストバゲージの発生確率と見つかる確率
航空機寄託手荷物遅延補償の補償対象となるロストバゲージはどれくらいの頻度で発生しているのでしょうか。
SITA(国際航空情報通信機構)が発表した2019年のデータよると、
- ・ロストバゲージの発生確率:約0.56% ※1
- ・ロストバゲージが見つかる確率:約75% ※2
となっており、ロストバゲージの発生確率は0.56%、すなわち約180人に1人の割合で発生しています。
国際線で使用されている航空機の定員が200人~300人程度とすると、計算上は1便につき1人以上の確率でロストバゲージが発生していることになります。
※1 SITA(国際航空情報通信機構)「Baggage IT Insights 2020」P6より。
※2 SITA(国際航空情報通信機構)「Baggage IT Insights 2020」P7内の「Delayed bags」より。
3.【5ステップ】航空機寄託手荷物遅延補償の保険金請求方法
実際に航空機寄託手荷物遅延の補償対象になった場合、どのようにして保険金を請求すれば良いのでしょうか。ここでは、エイチ・エス損保の海外旅行保険たびともを例に、保険金が支払われるまでの流れを説明します。
※請求手順や必要な書類は保険会社によって異なります。
3-1.事故の連絡をする
目的地に到着後、6時間以上経っても預けた手荷物が届かなかったときは、直ちに海外サポートセンターに連絡して手荷物が届かない旨を伝えましょう。
また、保険金の請求時に必要な書類の中には、手荷物紛失証明書など、現地でなければ取得が難しい書類などもあります。
どのような書類が必要なのかオペレーターに確認し、取得漏れが無いようにしましょう。
<証明書の取得に使える英語>
ロストバゲージが発生してしまったのですが、保険金請求用の証明書を書いていただけますか?
I have been lost baggage, Can you write me a certificate to use when I file an insurance claim?
また、サポートセンターへ連絡する前に、手元に保険証券(電子証券)を用意しておくとやり取りがスムーズに進みます。
なお、保険証券については、こちらの記事で詳しく解説していますので、保険証券がどのようなものかわからない場合はチェックしてみてください。
3-2.保険金請求に必要な書類を確認して必要なら現地で取得する
保険金の請求には、保険金請求書の他にもいくつか必要な書類があります。
不備があると保険金の支払いに手間や時間がかかってしまうので、漏れや不足がないように確認する必要があります。
また、書類の中には現地でないと取得が難しいものもあります。
そういった書類を帰国後に取得しようとするとかなり大変なので、できる限り、現地にいる間に取得しておきましょう。
- <必要な書類例>
- ・航空会社発行の手荷物紛失証明書(Property Irregularity Report, PIR)
- ・支出した費用(衣類、身の回り品など)の領収書 など
3-3.保険金請求書を作成する
旅行から帰国後、保険金請求書を作成します。
保険金請求書に、事故の内容(いつ、どこで発生したのか)や保険金の支払先となる口座情報などを記入します。
3-4.保険金請求書類一式を送る
「保険金請求書」と「必要書類」をすべて用意したら、保険会社に送りましょう。
送付については、郵送だけではなく、保険金請求書類の画像をWEBにアップロードすることで完了する保険もあります。
加入しようとしている保険はどちらに対応しているのか調べてみるとよいでしょう。
なお、当社エイチ・エス損保の海外旅行保険である「たびとも」ではWEBでの手続きも可能です。
⇒https://www.hs-sonpo.co.jp/demand/
3-5.保険金が支払われる
最後に送った保険金請求書類一式を保険会社が確認します。
書類に問題がなければ保険金が支払われますが、場合によっては追加で書類提出を求められることもあります。
4.航空機寄託手荷物遅延補償の過去の支払い事例
航空機寄託手荷物遅延補償では、どういった場合に保険金が支払われるのでしょうか。
ここで実際に補償された事例をご紹介します。
(エイチ・エス損保の海外旅行保険たびともの場合)
<例1>
ハワイにて出国時に航空会社に預けたスーツケースの到着が遅れた。フォーマル服を購入する費用が発生。(発生した費用:約9,000円)
<例2>
オーストラリアにて航空会社に預けたスーツケースの到着が遅れ、翌日の受け取りとなった。スーツケース到着までの衣類・下着などの必需品を購入する費用が発生。(発生した費用:約10,000円)
<例3>
韓国にて航空会社に預けたスーツケースの到着が遅れ、2日後の受け取りとなった。スーツケース到着までの洗面用品・下着・衣類などの必需品を購入する費用が発生。(発生した費用:約9,000円)
※たびともの場合、航空機寄託手荷物遅延補償では、1回の寄託手荷物遅延について1万円をお支払いします。(定額払)
このように、出国時や旅行中の移動時はロストバゲージが発生しやすく、衣類などの購入費が急遽発生することがあります。
そういったときに、航空機寄託手荷物遅延補償が付帯されていれば損失額を減らしたり、なくすことができます。
5.クレジットカード付帯の海外旅行保険に航空機寄託手荷物遅延補償は付帯されるのか
海外旅行保険には、任意加入の海外旅行保険の他にクレジットカード付帯の海外旅行保険も存在します。
では、カード付帯の海外旅行保険に航空機寄託手荷物遅延補償は付帯されているのでしょうか。
結論から書くと、カードによって異なります。
カードによって付帯されていない場合もありますので、必ずカード会社のホームページなどで確認するようにしましょう。
また、カード付帯の海外旅行保険については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
6.航空機寄託手荷物遅延補償と航空機遅延補償の違い
「航空機寄託手荷物遅延補償」と似た名前の補償として「航空機遅延補償」があります。
この2つの補償にはどのような違いがあるのでしょうか。
以下の表にまとめたので参考にしてみてください。
<航空機寄託手荷物遅延補償と航空機遅延補償の違い>
航空機寄託手荷物遅延補償 | 航空機遅延補償 | |
---|---|---|
補償対象となるケース | 航空会社に預けた手荷物が一定時間以上目的地に届かなかった場合 | 搭乗予定の航空機が運休・欠航・一定時間以上の遅延となり、一定時間内に代替便が用意されなかった場合 |
補償される費用 | 衣類・生活必需品(歯ブラシやカミソリなど)・身の回り品(生活必需品を持ち歩くためのかばんなど)の購入費 | 宿泊費、食事代、交通費、遅延によって発生した予約のキャンセル料など |
端的に書くと、遅れているのが「手荷物」なのか「航空機」なのかという部分が違います。
また、各補償で補償対象の費用も異なっており、下記のような費用が補償されます。
- ・航空機寄託手荷物遅延補償:物品の購入費
- ・航空機遅延補償:宿泊費や食事代など
航空機遅延については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
7.ロストバゲージ対策を2つの観点から解説!
では、どうしたらロストバゲージの被害に遭いづらくなるのでしょうか。
ここで、以下の2つの観点からロストバゲージ対策を解説します。
・ロストバゲージの発生確率を下げる方法
・ロストバゲージが発生した際に、荷物が手元に戻ってくる確率を高める方法
- <ロストバゲージの発生確率を下げる方法>
- ①目立つスーツケースを選ぶ
- ②荷物にネームタグや目印を付ける
- ③乗り継ぎの回数を減らす
- ④乗り継ぎの空港で一旦荷物をピックアップする
- <ロストバゲージが発生した際に、荷物が手元に戻ってくる確率を高める方法>
- ①紛失防止タグをスーツケースの中に入れておく
- ②荷物を預けたときのタグを保管する
- ③荷物にネームタグや目印を付ける
- ④スーツケースの写真を撮っておく
このようにさまざまな対策があるので、航空会社に荷物を預けるときは、対策を施した上で預けるようにしましょう。
とはいえ、どれだけ対策をしても、ロストバゲージに遭って長時間、荷物が戻ってこないこともあります。
そこで、もしロストバゲージに遭ったときに損失を減らしたり、なくせるように、「航空機寄託手荷物遅延補償」が付帯されている海外旅行保険に加入することをおすすめします。
なお、エイチ・エス損保のたびともでは、基本補償として「航空機寄託手荷物遅延補償」がついていますので、ぜひご検討ください。
⇒海外旅行保険たびともの詳細をチェックする
・たびともは、旅行目的地通知型ネット専用海外旅行保険のペットネームです。
・たびともの場合、航空機寄託手荷物遅延補償では、1回の寄託手荷物遅延について1万円をお支払いします。(定額払)