ワーホリ保険とは?選び方や補償項目、加入時の注意点も解説!
「ワーキング・ホリデーに行くけどワーホリ保険って何だろう?」
「そもそも、ワーホリ保険って必要なのかな?なくても大丈夫じゃない?」
今回はワーキング・ホリデー保険(以下、ワーホリ保険)とは何かについて解説します。
具体的には、
- ・ワーキング・ホリデーの必需品!ワーホリ保険について解説!
- ・入らないと強制帰国になることも?ワーホリ保険がほぼ必須な3つの理由
- ・ワーホリ保険はこの2つが大事!ワーホリ保険の選び方とは?
などを書いていきます。
ワーホリ保険とはワーキング・ホリデーに特化した海外旅行保険のことです。
加入することで、現地でトラブルが発生した時に治療費用などの損失が補償されたり、キャッシュレス診療対応病院を紹介してもらえます。
※保険商品によってはキャッシュレス診療が用意されていないこともあります。
他にもワーホリ保険の特徴や補償項目、留学保険やその他の海外旅行保険との違いも解説するので、参考にしてみてください。
目次
1.ワーキング・ホリデーの必需品!ワーホリ保険について解説!
「休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度」のことを“ワーキング・ホリデー制度”(以下、ワーホリ制度)といいます。
ワーホリ保険とは、ワーホリ制度に特化した補償を備えた海外旅行保険のことです。
ワーホリ制度を利用するときに加入が必須になることもあり、ワーホリとは切っても切れない関係にあります。
2.入らないと強制帰国になることも?ワーホリ保険がほぼ必須な3つの理由
ワーホリ制度を利用しようと思ったときに、
「そもそも、ワーホリ保険って必要なのかな?なくても大丈夫じゃない?」
と考えることもあるのではないでしょうか。
結論から書くと、ワーホリ制度を利用するならワーホリ保険は“ほぼ必須”です。
ほぼ必須であると言える理由は、以下の3つが挙げられます。
- ・渡航先で入国できず強制帰国になるケースがある
- ・ビザの取得条件の1つにワーホリ保険加入が入っている
- ・海外では日本と比較して医療費が高額になりやすい
次の見出しからそれぞれの理由について、事例を交えつつ解説していきます。
2-1.渡航先で入国できず強制帰国になるケースがある
ワーホリを目的として渡航するとき、国によっては保険に加入していないと入国できないことがあります。
たとえば、
- ・カナダ
- ・フランス
- ・アイルランド
- ・ドイツ
などは保険未加入だと入国できない可能性があります。
実際、カナダへの入国時に保険加入の証明ができず、日本に強制帰国させられた事例も存在しています。その際、帰国便の飛行機代も自己負担となっています。
このような事態を避けるためにもワーホリ保険への加入が必要といえます。
(ワーホリ保険ではなく、留学保険やその他の海外旅行保険への加入でも問題ないこともあります)
また、加入するだけでなく保険の加入が証明できる書類を準備しておくと安心です。
保険の加入が証明できる書類については、以下の記事で解説している保険証券などが該当します。
※リンク先の記事では“海外旅行保険”の加入を証明する書類について解説していますが、ワーホリ保険でも同様の書類で加入を証明できます。
証明書類に限らず渡航時に持っていくべきものについても解説しているので、出発前にご確認ください。
2-2.ビザの取得条件の1つにワーホリ保険加入が入っている
ワーホリ制度を利用するためにはビザが必要です。
そして、そのビザを取得するために海外留学保険(ワーホリ保険)への加入が必要な国があります。
たとえば、ドイツはビザの申請に必要な書類に「海外留学保険加入証明書」が含まれています。
ドイツに限らずビザの申請をする際には事前に必要書類を確認し、併せてワーホリ保険に加入しましょう。
2-3.海外では日本と比較して医療費が高額になりやすい
海外は日本と比べて医療費が高額になりやすいです。
実際に海外では、以下のような請求事例が発生しています。
【事例1】
韓国:転倒して頭部を打ったため、病院を受診。
(発生した費用:治療費用 約286万円・救援者費用 約8万円)
【事例2】
ポーランド:路面が凍結していたため転倒し、左肘を負傷。
(発生した費用:約37万円)
【事例3】
イギリス:嘔吐・熱・食欲不振のため、受診。
(発生した費用:約16万円)
(エイチ・エス損保調べ)
また、日本では健康保険制度によって、保険の対象となる治療であれば、自己負担額は3割になりますが、海外では適用されません。
ワーホリ保険に未加入な上、高額な医療費が発生すると、発生した医療費の全てを自身で支払うことになってしまいます。
(海外療養費制度を使用することで医療費の一部が補償されることもあります)
そうなるとワーホリどころではなくなってしまうので、ワーホリ保険への加入はほぼ必須といえるでしょう。
また、ワーホリ保険の中でも、治療費用“無制限”プランの保険であれば、万が一高額な医療費が発生しても、基本自己負担はありません。
治療費用“無制限”プランの詳細については、以下の記事で解説しているのでチェックしてみてください。
3.ワーホリ保険はこの2つが大事!ワーホリ保険の選び方とは?
ここまでワーホリ保険が必要な理由について解説してきました。
ただ、「必要なのはわかったけど、ワーホリ保険の選び方がわからない」ということもあると思います。
ここでは、そのような選び方がわからない場合に注目すべき2つのポイントを紹介します。
その2つのポイントとは
- ・補償項目
- ・保険金額
です。
以下で解説していくので、保険選びの際にお役立てください。
3-1.補償項目
1つ目が補償項目です。
補償項目は保険商品によって様々ですが、一般的な補償項目には
- ・傷害死亡補償
- ・傷害後遺障害補償
- ・治療・救援費用補償
などがあります。
ワーホリ中に発生するトラブルに備えるために、補償項目、支払い条件を併せてチェックしましょう。
3-2.保険金額
2つ目が保険金額です。
海外の医療費は、
- ・自由診療になっている国が多く、病院が医療費を決める
- ・治療方法が日本とは違う
といったケースが多いため、日本の医療費と比較して高額になりやすくなっています。
そのため、保険料を抑えて、保険金額が控えめな保険を選んでしまうと、保険金が不足して自己負担金が発生する可能性があります。
<例>
ワーホリ中にケガをして、300万円の治療費が発生してしまったが、加入していたワーホリ保険の治療費の保険金額が100万円だった場合。
⇒「300万-100万=200万」となり、保険金が支払われても、200万円の自己負担金が発生してしまう。
万が一、高額な医療費が発生しても問題のない保険金額が用意されている保険に加入することをおすすめします。
なお、このような海外の医療費が高い理由や、実際の請求事例などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
具体的な治療費などがイメージできない場合は、チェックしてみてください。
4.ワーホリ保険の補償項目一覧
ここからはワーホリ保険の一般的な補償項目について紹介していきます。
ワーホリ保険のイメージを掴むための参考にしてみてください。
※渡航先で就業する職務によっては保険に加入できないこともあります。
補償項目 | 内容 |
---|---|
救援者費用 |
旅行中のケガや病気が原因で旅行先の病院に入院し、親族が現地の病院まで駆け付けた場合に下記費用が支払われます。 ・現地までの往復運賃 ・ホテル等の宿泊費 など |
傷害死亡 | 旅行中のケガが原因で亡くなった場合に支払われます。 |
傷害後遺障害 | 旅行中のケガが原因で後遺障害が生じた場合に、障害の程度に応じて保険金が支払われます。 |
治療・救援費用 |
治療費:旅行中のケガや病気が原因で治療を受けた場合に、治療にかかった費用が支払われます。 救援費:旅行中のケガや病気が原因で旅行先の病院に入院し、親族が現地の病院まで駆け付けた場合の一部費用が支払われます。 |
疾病死亡 |
旅行中に発病した病気が原因で亡くなった場合に支払われます。 |
個人賠償責任 | 誤って他人の所有物や備品などを破損してしまった場合の損害賠償金が支払われます。 |
生活用動産 (携行品損害) |
携行品(衣類やパスポートなど)や宿泊、居住施設内に保管している所有物が、盗難被害や偶然の事故にあって損害を受けた場合に、修理費用などが支払われます。 |
航空機寄託手荷物遅延 | 搭乗時に航空会社に預けた手荷物が、航空機が目的地に到着後、一定時間を経過しても目的地に届かなかった場合、衣服や生活必需品等の購入費が支払われます。 |
航空機遅延 | 搭乗予定の航空機の出発が一定時間以上遅延した場合、他の航空機が利用可能となるまでの間に発生した宿泊費や食事代等の費用が支払われます。 |
緊急歯科治療費用 | 海外滞在中に発病した歯科疾病の治療費用が支払われます。 |
緊急一時帰国費用特約 | 海外滞在中に親族が死亡、危篤、遭難・行方不明などになったことにより一時的に帰国した時、その費用が支払われます。 |
留学継続費用特約 | 被保険者の扶養者が、特定の理由により被保険者を扶養できなくなった場合、留学を継続するための費用が支払われます。 |
※保険商品によって補償内容は異なります。加入前には必ず補償内容を確認してください。
5.ここに注意!ワーホリ保険の注意点3選
ワーホリ保険では、補償内容以外にも注意しておくべきポイントが3つあります。
具体的には以下の3つです。
- ・保険期間の延長手続きが自身でできるか
- ・キャッシュレス診療対応病院が近くにあるか
- ・トラブル発生時の保険会社のサポートは万全か
これらのポイントを確認してワーホリ保険を選ぶことで、適切な保険選びができるようになるでしょう。
では、1つずつ具体的に解説していきます。
5-1.保険期間の延長手続きが自身でできるか
1つ目に保険期間の延長手続き方法です。
保険期間の延長については、滞在先から自身で手続きを行えると思われがちですが、実は保険商品によっては、日本にいる代理人でないと延長の手続きができないことがあります。
(自身で手続きができる保険商品も存在します)
もし、代理人を立てるのが難しい場合には、自身で延長手続きができる保険商品を検討する必要があります。
5-2.キャッシュレス診療対応病院が近くにあるか
現在、多くの保険会社がキャッシュレス診療を利用できる病院を用意しています。
キャッシュレス対応病院は一時的にでも費用負担なく治療を受けられるので大変便利です。
しかし、いざというとき近くにキャッシュレス診療対応病院がないと、キャッシュレス診療の利用が難しくなってしまいます。
宿泊先、ホームステイ先の近くにキャッシュレス診療対応病院があるか確認しましょう。
5-3.トラブル発生時の保険会社のサポートは万全か
ワーホリ保険に加入する際は、補償内容だけではなくサポートも充実しているか確認しましょう。
問い合わせをしたいときに24時間日本語で対応が可能だったり「医療通訳サービス」(医師に自分の症状を正確に伝えるためのサポート制度)があると安心できるでしょう。
補償内容と合わせてワーホリ保険を選ぶ際にチェックすることをオススメします。
6.ワーホリ保険とそれ以外の海外旅行保険の違いや特徴を解説!
これまで解説してきた“ワーホリ保険”とそれ以外の海外旅行保険ではどのような違いがあるのでしょうか?
まず、ワーホリ保険と留学保険には大きな違いがないことが多いです。
中には「留学生・ワーホリ向けプラン」のように、ワーホリ保険と留学保険を兼ねるプランを用意している保険商品も存在します。
では、「ワーホリ保険・留学保険」とそれ以外の「海外旅行保険」にはどのような違いがあるのか、以下の表にまとめました。
保険選びの参考として、チェックしてみてください。
また、海外旅行保険では、一例として当社のFIT海外旅行保険(個人、32日以上)を使用しています。
(FIT海外旅行保険は、海外旅行保険のペットネームです)
ワーホリ保険 留学保険 |
海外旅行保険 (FIT海外旅行保険(個人、32日以上)) |
|
---|---|---|
保険期間※ | 最大1年 | 最大1年 |
補償項目 | ||
傷害死亡 | 〇 | 〇 |
傷害後遺障害 | 〇 | 〇 |
治療・救援者費用 | 〇 | 〇 |
応急治療・救援費用 | × | × |
疾病死亡 | 〇 | 〇 |
賠償責任 | 〇 | 〇 |
携行品損害 | × | 〇 |
生活用動産 | 〇 | × |
航空機寄託手荷物遅延 | 〇 | 〇 |
航空機遅延 | 〇 | 〇 |
歯科治療費用 | 〇(条件あり) | × |
緊急一時帰国費用 | 〇 | 〇(オプション) |
留学継続費用 | △(留学保険のみ) | × |
※1年以上のワーホリに行く場合は、1年ごとに契約延長の手続きが必要になります。
また、上記の表の内容はあくまで一般的な内容で、具体的な保険期間や補償項目は保険商品によって異なります。加入前には必ず補償内容を確認するようにしましょう。
7.補償項目と保険金額を見て適切な保険選びをしよう!
ここまでワーホリ保険の必要性や加入時の注意点、海外旅行保険・留学保険との違いなどを解説してきました。
ワーホリ制度を利用して海外に渡航する予定の方は、海外生活への期待や不安でドキドキしていると思います。
海外生活を安心して送ることができるように、各社の提供している保険の“補償項目”と“保険金額”を十分に見比べて、自分に合った保険商品を選んでみてください。
※各補償項目について解説した記事を以下のページにまとめています。主要な補償項目について各記事を用意しているので合わせて参考にしてみてください。
⇒各補償項目に関する記事をチェックする