妊娠中に海外旅行に行くのは大丈夫?海外旅行保険の補償対象になるかも解説!

妊娠中に海外旅行に行くのは大丈夫?海外旅行保険の補償対象になるかも解説!

「妊娠中だけど海外旅行に行きたいな…、まだ妊娠初期だし行っても大丈夫かな?」
「海外旅行中に妊娠が理由で病院に行ったときって、海外旅行保険で補償されるのかな?」

今回は妊娠中の海外旅行について解説します。

具体的には、

  • ・【結論】妊娠中に海外旅行に行っても大丈夫なのか?
  • ・妊娠初期でも妊婦が海外旅行に行くのは危ない?妊娠中の旅行に関する危険性を解説
  • ・妊娠に関する症状での受診は海外旅行保険の補償対象となるのか

などを解説します。

妊娠中の海外旅行は、妊娠初期はもちろんのこと安定期でも控えた方がいいでしょう。
海外ではどのようなトラブルが起こるかわからず、万が一の場合、赤ちゃんにも影響が出てしまう可能性があるからです。

また、出張等の理由で、やむなく海外に行く場合は、海外旅行保険に加入することをおすすめします。

1.【結論】妊娠中に海外旅行に行っても大丈夫なのか?

結論から説明すると、妊娠中の海外旅行は止めた方がいいでしょう。

出張等、何かしらの理由で海外に行かなければいけない場合を除き、海外に行くのは控えるべきです。

では、なぜ妊娠中の海外旅行は控えるべきなのか。
その理由について、次の見出しで解説していきます。

2.妊娠初期でも妊婦が海外旅行に行くのは危ない?妊娠中の旅行に関する危険性を解説

ここからは以下の3つの観点から、妊娠中の海外旅行をおすすめしない理由やその危険性について解説します。

  • ・体調を崩す可能性がある
  • ・日本と比較して医療体制が整っていないことがある
  • ・海外では日本と比較して医療費が高額になることがある

妊娠中の海外旅行について検討している場合は参考にしてみてください。

2-1.体調を崩す可能性がある

妊娠中は貧血、動悸、めまい等の体調不良が発生しやすくなります。
また、慣れない海外でストレスや疲れが溜まることで、体調を崩す可能性も高くなります。

妊娠初期はともかく安定期なら大丈夫ではないかと思うかもしれませんが、妊娠初期はもちろんのこと、安定期であっても突然体調が悪くなることはあります。

このような体調面のリスクを考えると、妊婦が海外に行くのは一定のリスクがあると考えられます。

2-2.日本と比較して医療体制が整っていないことがある

海外では日本ほど医療体制が整っていない国があります。
そういった国で体調を崩すと十分な治療を受けられない可能性があります。

そして、十分な治療を受けられないと、本人だけではなく赤ちゃんに影響が出る可能性もあります。

このようなことを考えると、妊娠している状態で海外に行くのは危険と言えるでしょう。

2-3.海外では日本と比較して医療費が高額になることがある

海外では日本と比較して、医療費が高くなることがあります。

日本では、健康保険制度もあって少額で済む治療でも、海外ではかなりの金額になることもあります。

特にアメリカ本土やハワイでは、日本と比較して医療費が高額になっており、入院した場合、室料だけで1日約2千〜3千ドル(約29万円〜約44万円※1)かかることもあります※2。

※1:1ドル=約146円で換算(2024年8月現在)

※2:在ニューヨーク日本国総領事館

妊娠中の海外旅行には、上記のようなリスクが伴う可能性があります。

3.妊娠中でも飛行機に乗れる?妊婦の国際線搭乗について解説

妊娠中の場合、海外旅行に行くことはおすすめしませんが、出張等、何かしらの理由で海外に行かなければならないこともあるかと思います。

では、妊娠している場合、国際線に搭乗できるのでしょうか?

結論から説明すると、妊娠していても飛行機への搭乗は可能です。

ただし、以下のような条件が定められています。
※2024年8月時点

  • ◆ANA
  • 出産予定日を含め14日以内:「診断書」の提出および「医師の同伴」が必要。
  • 出産予定日を含め15日以上28日以内:「診断書」の提出が必要。
  • 引用:ANA

  • ◆JAL
  • 出産予定日28日~8日前までに搭乗:診断書の提出が必要。
  • 出産予定日7日前までに搭乗:診断書の提出と医師の同行が必要。
  • 引用:JAL

このように航空会社によって条件が異なるので、渡航の予定を立てるときにホームページで確認しておくようにしましょう。

4.妊娠中でも海外旅行保険に入れるのか?

多くの海外旅行保険では、妊娠の有無に関わらず加入できます。

妊娠していない人と同じように、告知事項に該当する等の理由で加入できないことはありますが、妊娠が理由で加入不可となることは、ほとんどありません。

妊娠中に海外に行くときは、海外旅行保険に加入することをおすすめします。

※ただし、「加入できる=妊娠に関する症状によって発生した費用が補償される」とは限らないので要注意です。

5.妊娠に関する症状での受診は海外旅行保険の補償対象となるのか

多くの海外旅行保険では、妊娠症状に関する補償について、以下のどちらかのような条件が定められています。

  • ・妊娠・出産・早産・流産およびこれらに基づく病気が原因で生じた治療費用は、保険金の支払い対象にならない(ただし、救援者費用については支払対象となる)
  • ・妊娠初期(21週目まで(22週目未満)をいいます)の異常の場合に限り、保険金の支払い対象になる
  • ※具体的な条件については、海外旅行保険によって異なります。

妊娠中に海外旅行保険に加入するときは、加入前に条件を確認しておきましょう。

5-1.海外旅行中に妊娠22週目以降になったら保険の補償はどうなる?

妊娠に関する症状について、一部の海外旅行保険では妊娠初期(21週目まで(22週目未満))の場合、補償対象となることがあります。

では、渡航中に妊娠22周目になった場合、どうなるのでしょうか?

結論から説明すると、治療を開始した時点での妊娠週数によって補償対象になるか判断されます。

場合によっては、補償の対象外になることもあり得るので、渡航中に妊娠22周目になる場合は、事前にいつから補償の対象外になるか確認しておくようにしましょう。

6.妊婦に関連した過去の保険金支払い事例

ここからは、エイチ・エス損保で実際に発生した妊婦に関連した保険金の支払い事例を紹介します。

妊娠中に海外旅行保険に加入する必要があるときの参考にしてみてください。

国・都市 事故状況 発生した費用
ベトナム 飛行機からの階段が雨で濡れていたことにより、同行者が滑落し、妊婦である被保険者も巻き込まれて階段から落下した結果、左足を挫傷した。 約80,000円
ハワイ 出国便の機内でトイレに行ったところ大量出血していた。妊娠6週目で旅行前には異常はなかった。現地空港へ到着し救急で病院へ運んでもらったところ流産していた。 約900,000円
ハワイ 帰国便搭乗前に被保険者が大量出血し救急搬送され、妊娠4ヶ月の胎児を流産した。 約470,000円

※エイチ・エス損害保険のたびともでは、妊娠・出産・早産・流産およびこれらに基づく病気が原因で生じた治療費用等は、保険金の支払い対象になりません。
※エイチ・エス損害保険のFIT海外旅行保険では、「保険期間31日以下の契約」「妊娠初期の異常(子宮外妊娠その他の日本国内の公的医療保険制度において療養の給付の支払対象となる症状に相当する妊娠に関する症状をいい、妊娠満22週以降に発生したものは除きます)」の2点を満たした場合のみ、保険金の支払い対象となります。
※上記の文中のたびとも、FIT海外旅行保険はそれぞれ「旅行目的地通知型ネット専用海外旅行保険」、「海外旅行保険」のペットネームです。

7.妊娠中に海外に行くときの3つの注意点

ここからは妊娠中にやむを得ない理由で海外に行くときの注意点について解説します。

妊娠中に海外に行く場合、妊娠していないときとは異なる注意点がいくつかあります。
注意点をしっかり理解して、リスク管理を十分にした上で出発するようにしましょう。

なお、やむを得ない理由がない限り、妊娠中に海外に行くことはおすすめしません。
どうしても妊娠中に海外に行かなければいけないときの参考としてチェックしてみてください。

7-1.主治医に相談する

出発前に、主治医に相談して、海外に行っても問題ないか相談するようにしましょう。

妊娠中に海外に行っても大丈夫かは、妊娠してからの期間や健康状態によって変わりますが、知識のない一般人が判断するのはリスクがあります。
専門家に判断してもらうのが最も確実です。

また、主治医に相談してアドバイスをもらうことで、安心感を得ることもできるでしょう。
不安を感じることなく、海外に行くためにも主治医に相談することをおすすめします。

7-2.現地の医療情報を確認する

事前に渡航先の医療情報を確認しておきましょう。

海外ではどのようなことが起こるかわかりません。
場合によっては、トラブルが発生して治療が必要となることもあるでしょう。

そんなときに、事前に近くの病院の場所や連絡先、診療時間等を調べておけば、スムーズに行動できます。

逆に、トラブルが発生してから情報を調べようと思うと、焦ってうまく調べられなかったり、ネットが繋がらなかったりして、病院に行くまでに時間がかかってしまう可能性もあります。

可能な限りリスクを抑えるためにも、事前に現地の医療情報を調べておくことをおすすめします。

7-3.事前に航空会社や滞在先のホテルに妊婦であることを連絡する

使用する航空会社や滞在先のホテルに事前に妊婦であることを連絡しておきましょう。

妊婦であることを連絡しておくことで、万が一トラブルが発生したときに、迅速に対応してもらえます。

また、場合よっては、飛行機に搭乗するときに優先的に機内に案内してもらえたり、手荷物の収納を手伝ってもらえる等のサービスを受けられることもあります。

8.マタ旅ではなくママ旅がおすすめである理由

近ごろはマタ旅という言葉があるように、妊娠中に海外旅行に行く人も一定数います。

しかし、トラブルに巻き込まれるリスクや体調を崩すリスク等を考えると、妊娠中の海外旅行は控えるべきと言えるでしょう。

海外旅行に行きたいという気持ちもあると思いますが、赤ちゃんのことも考えると、出産後のママ旅の方が安全です。

せっかくの海外旅行もトラブルが起きてしまっては楽しめなくなってしまうので、安全第一で考えることをおすすめします。

エイチ・エス損保の海外旅行保険たびとも

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