海外留学保険は安さが大事?選び方を5つのポイントに分けて解説!
「留学保険に入りたいけど、できるだけ安い保険に入りたい…」
「費用もかかるし、留学保険って必要なの?」
今回はそんな海外留学保険について保険会社が解説していきます。
具体的には、
- ・留学保険はいらない?海外留学に保険が必要な3つの理由
- ・【重要】留学保険の選び方はこれが大事!5つのポイントをご紹介!
- ・留学保険にクレジットカード付帯の保険は使えないのか?
などを解説します。
留学保険で大事なのは補償内容と保険料のバランスです。保険料の安さだけで決めると、トラブルにあったときに「保険はあったけど自己負担が発生してしまった…」となる可能性もあります。留学保険への理解を深め、ピッタリな留学保険を選べるようになっていきましょう。
目次
1.海外留学の強い味方!留学保険とはどんな保険なのか?
留学保険は、海外留学中のトラブルで発生した損失をてん補する損害保険です。海外では、荷物が盗まれたり、思わぬ事故にあうことがあります。
たとえば、当社の事例だと以下のようなトラブルがありました。
国 | 事故状況 | 発生した費用 |
---|---|---|
タイ | 歩行中に、後ろから来たバイクにカバンをひったくられた。 | 約197,000円 |
オーストラリア | 転倒してしまい、前歯を怪我した。病院を受診し、治療費用が発生。 | 約462,000円 |
アメリカ | 発熱のため受診。治療費用が発生。 | 約311,000円 |
(エイチ・エス損保調べ)
言葉も常識も違う海外生活における強い味方が留学保険です。
2.【一覧表】留学保険には、どんな補償項目があるのか?
留学保険には、どのような補償項目があるのでしょうか?
ここでは当社が販売している留学保険を例に補償項目を解説します。
補償項目 | 補償項目の詳細 |
---|---|
治療救援費用 | ケガや病気で治療・入院が必要になった場合や入院などにより家族が現地に赴いた場合の費用を補償 |
傷害死亡 | 留学中のケガにより死亡された場合の補償 |
傷害後遺障害 | 留学中のケガで後遺障害が発生した場合の補償 |
疾病死亡 | 留学中の病気により死亡された場合の補償 |
賠償責任 | 施設内の設備や他人の所有物を破損してしまったときの補償 |
航空機寄託手荷物遅延 | 航空会社に預けていた荷物が飛行機到着後6時間以内に届かず、追加の出費が発生した場合の費用を補償 |
生活用動産 | 現地の滞在施設に保管している所有物が盗まれたり事故によって破損した場合の補償 |
航空機遅延 | 搭乗予定の航空機の出発が6時間以上遅延したり、欠航した場合に発生した追加費用の補償 |
歯科治療費用 | 歯科治療を受けた場合の費用を補償 |
緊急一時帰国費用(オプション) | 家族の死亡、危篤時の一時的な帰国費用の補償 |
留学継続費用(オプション) | 被保険者の扶養者が事故により死亡、または重度の障害を負った際に留学を継続するための費用を補償 |
参照:https://www.hs-sonpo.co.jp/img/store_201902_03.pdf
このように、留学時に発生する様々なトラブルに対して補償が用意されています。
3.留学保険はいらない?海外留学に保険が必要な3つの理由
留学保険への加入には保険料がかかります。保険料を考慮して留学保険はいらないと考える人もいますが、本当に留学保険はいらないのでしょうか?
ここでは保険会社の視点から、留学保険が必要な理由を3つ紹介します。留学保険に加入するか考えるときの判断材料にしてみてください。
3-1.医療費が日本よりも高額なことが多い
基本的に海外では医療費が日本より高額です。トラブルの状況にもよりますが、たとえば以下のような100万円を超える事例も存在します。
国・都市 | 事故状況 | 発生した費用 |
---|---|---|
タイ | オートバイで走行中に転倒して左肩を打撲。病院を受診し、治療費用が発生。 | 約1,232,000円 |
ロシア | 熱が下がらないため病院を受診。治療費用が発生。 | 約3,198,000円 |
アメリカ | 腹痛・吐き気の症状があり病院を受診。治療費用が発生。 | 約5,478,000円 |
(エイチ・エス損保調べ)
また、国内であればほとんどの人が健康保険や国民健康保険で支払いが3割負担で済みますが、海外では日本の健康保険制度が使えないので全額負担になってしまいます。
※一部、海外療養費制度で払い戻されることもあります。
医療費が高く、万が一の時の経済的な負担が大きいという意味で留学保険は欠かせません。
海外における医療費については、以下の記事で詳しく解説しています。海外の医療費が日本と比べて高い理由等も解説しているので参考にしてみてください。
3-2.日本語が通じないことが多い
留学保険は損失の補償だけではなく、トラブル時のサポートも充実しています。
たとえば、以下のようなサービスが挙げられます。
- ・最寄りの医療機関の紹介や手配
- ・パスポートやクレジットカードの紛失・盗難時の手続き案内
- ・通訳の紹介・手配
※上記は一例です。具体的なサービス内容は各保険会社のホームページをご確認ください。
海外では基本的に日本語が通じません。そうなると言葉が通じない中、何とかしてトラブルに対応しなければいけません。
ただでさえ慣れない海外生活で、言葉も通じず焦る気持ちでトラブルに対応しないといけないのは大変ですよね。 留学保険があれば、このような問題解決にかかる負担を減らすこともできます。
3-3.日本国内の留学保険への加入が義務化されている国がある
国によっては、日本国内の留学保険への加入を義務化していることがあります。
たとえば、シェンゲン協定加盟国へ留学する場合は留学保険への加入が必須となります。
【シェンゲン協定加盟国一覧】
⇒https://finlandabroad.fi/web/jpn/ja-what-is-a-schengen-visa
その他にも留学保険への加入が必須となっている国があるので、該当する国へ留学する際は留学保険が必要になります。
4.【重要】留学保険の選び方はこれが大事!5つのポイントをご紹介!
一口に留学保険と言っても、世の中には様々な留学保険があります。そこで、ここからは留学保険を選ぶ際の大事なポイントを5つ紹介します。留学保険選びの参考にしてみてください。
4-1.治療救援費用の保険金額を選ぶ
まずは、治療救援費用の保険金額がどの程度必要か考えていきましょう。 海外滞在中には、日本では考えられないような高額な医療費が発生することがあります。たとえば、当社で過去に発生した事例だと、以下のように100万円を超える治療費用が発生した事例もありました。
国・都市 | 事故状況 | 発生した費用 |
---|---|---|
タイ | オートバイで走行中に転倒して左肩を打撲。病院を受診し、治療費用が発生。 | 約1,232,000円 |
ロシア | 熱が下がらないため病院を受診。治療費用が発生。 | 約3,198,000円 |
アメリカ | 腹痛・吐き気の症状があり病院を受診。治療費用が発生。 | 約5,478,000円 |
(エイチ・エス損保調べ)
このような状況に対して、留学保険では治療救援費用の保険金額が高額に設定されているものが多いです。
中には無制限になっているプランもあります。
大きなケガや命の危機に関することでもあるので、予算や留学先の治安と相談しながら治療救援費用の保険金額を設定しましょう。
4-2.歯科治療費用が補償項目に入っているか?
虫歯、歯肉炎、歯周病などの理由で歯科治療を受けたときの補償である「歯科治療費用」が補償項目に入っているかも確認しておきましょう。なぜなら、海外では歯科治療費用が日本よりも高くなる可能性があるからです。当社の事例では、過去に歯科治療で病院から20万円の請求が発生したこともありました。
このように、海外では歯の治療に必要なお金が高額になることがあります。 しかし、留学保険の中には、歯科治療費用がオプションとなっている留学保険もあります。加入前に検討している保険は、歯科治療費用が補償項目に入っているか確認しておきましょう。
4-3.キャッシュレス対応病院が滞在先の近くにあるか?
キャッシュレス対応病院が滞在先の近くにあるかどうかも重要なポイントです。
キャッシュレス対応病院とは留学先においてケガや病気で受診する際に、
- ・保険契約証
- ・保険証券
- ・パスポート
上記3つのいずれかを提示することで、自己負担なく治療を受けられる病院のことです。
※加入する保険によって条件が異なるため、詳しくは各保険会社のホームページをご確認ください。
このように便利なキャッシュレス対応病院ですが、滞在先の近くにないと、いざというときに移動が大変になってしまいます。
滞在予定の場所の近くに、キャッシュレス対応病院があるかもチェックしておきましょう。
4-4.留学期間が延長となる可能性はないか?
留学期間が延長になる可能性がないかも重要なポイントです。留学途中で留学期間が延長となった場合、保険会社への延長手続きを行わないと、当初の契約期間で保険は終了してしまいます。
保険期間の延長が可能なこともありますが、保険商品によっては日本にいる人に代理で手続きを行ってもらう必要があるケースもあります。留学の期間が変更となった場合は、必ず手続きをしましょう。
4-5.留学先から他国に旅行に行く場合に補償を受けられるのか?
留学と合わせて留学先とは別の国への旅行を考えている場合は、旅行先の国でも補償が受けられるのか確認しておきましょう。
たとえば、旅行先の国に応じて保険料が異なる留学保険の場合は、事前に保険会社に旅行先の国を告知しないと、旅行先の国では補償の対象外となることがあります。この辺りは保険商品によって変わるので、申し込みをする前に内容を確認しておきましょう。
5.留学保険と海外旅行保険はどのように違うのか?
留学保険と似た保険に海外旅行保険があります。
補償項目や保険金額を見ると両方とも似ていて、慣れていないと、どちらがいいのかわからないこともあるでしょう。
そこで、ここからは留学保険と海外旅行保険の違いについて解説していきます。
5-1.留学保険と海外旅行保険の違い
結論から書くと、留学保険と海外旅行保険の違いは以下のようになります。
海外旅行保険 | 海外旅行に特化した補償内容が含まれる保険 |
---|---|
留学保険 | 海外旅行保険に、留学生向けの補償内容をセットしたもの |
つまり、海外旅行保険の一部が留学保険となっています。
では、どのような補償内容がセットになっているのでしょうか。
一例として、当社の海外旅行保険(留学・ワーキングホリデープラン)では、以下のような補償項目が用意されています。
生活用動産 | 現地の滞在施設(シェアハウス・アパートなど)に保管している所有物が盗まれたり、事故によって破損した場合に補償されます。 |
---|---|
緊急一時帰国補償 (オプション) |
ご家族やご親戚の方の死亡、または危篤時の一時的な帰国費用が補償されます。 |
留学継続費用補償 (オプション) |
留学生の扶養者の方が事故により、死亡または重度の障害を負った場合、留学を継続するための費用が補償されます。 |
参照:https://www.hs-sonpo.co.jp/img/store_201902_03.pdf
治療費用や携行品損害などの基本的な補償項目に大きな違いはありませんが、それらの補償に留学向けの補償内容が追加されているのが留学保険です。
6.留学前に疑問を解消!よくある3つの質問
ここからは、留学保険を選ぶときにありがちな質問への回答を記載していきます。
保険選びの参考にしてみてください。
6-1.クレジットカードに付帯された海外旅行保険は留学には使えないのか?
海外旅行の際によく利用される保険に、クレジットカード付帯の海外旅行保険があります。
留学用ではなく海外旅行用ですが、補償内容が留学保険と似ているので「これで代替できるのではないか?」と考えることもあるでしょう。
では、本当に代替は可能なのでしょうか?
結論から書くと、”保険期間や補償内容が十分であれば代替も可能”となります。
お持ちのクレジットカードに付帯した海外旅行保険の保険期間や補償内容を見て、十分な内容と判断できれば問題ありません。
逆に、不安を感じるのであれば、任意加入の留学保険への申し込みをオススメします。
クレジットカード付帯の海外旅行保険に関する具体的な話は、以下の記事で解説しているので、迷っている場合はこちらも読んでみてください。
6-2.留学保険と海外旅行保険の併用は可能なのか?
留学保険と海外旅行保険の併用自体は可能です。 ただし、併用しても支払われる保険金が増えることはありません。
仮に100万円の損失が発生した場合、支払われる保険金は100万円となります。 留学保険と海外旅行保険の両方から100万円ずつ保険金の支払いがあって、200万円になったりはしません。
※ただし、傷害死亡・傷害後遺障害補償を除く。
また2つの保険に加入する分、支払う保険料も増えてしまいます。
6-3.現地の保険会社の留学保険で代替は可能なのか?
留学保険は日本国内の損害保険会社だけではなく、留学先の国の会社が提供しているものもあります。
同じ留学保険ではあるので、代替ができそうと思うかもしれません。
では、本当に代替できるのでしょうか?結論から書くと、
- ・保険期間や補償内容が十分か
- ・現地の言葉で申込みや、やり取りができるか
この2つが問題なければ現地の留学保険でも代替できる可能性はあります。ただ、中には日本国内の留学保険への加入を義務付けている国もあるので、事前に確認しておきましょう。
7.【要注意】海外留学保険を〇〇で決めるのは危険
留学は何かと費用がかかります。
その中で、できるだけ保険料を抑えて留学保険に入りたいと思うのは、自然なことです。しかし、安さで留学保険を決めてしまうと、いざというときに、自己負担が発生してしまう可能性があります。予算と相談しながら保険料と補償項目・保険金額のバランスを大事にしていきましょう。