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ペット保険で人用の薬も補償される?条件と注意点
※本記事は一般的なペット保険に関する情報を記載しています。当社のペット保険の商品内容についてはこちらをご確認ください。
【結論】動物病院で処方された「人用医薬品」は、多くの場合ペット保険の補償対象になります。
ただし、保険会社、契約プラン、用途(治療、予防など)によって支払可否は異なります。
そのため、「一律で対象」「一律で対象外」という判断はできず、確認が必要です。
なぜ「人用医薬品」がペットに処方されるのでしょうか?
理由は以下のとおりです。
- ・コストが抑えられる。
- ・薬の選択肢が豊富
- ・緊急時や継続治療でも入手しやすい。
特に慢性疾患(皮膚炎、心臓病、高血圧など)では、治療効果、入手難度、費用面を総合的に判断した結果として人用医薬品を処方するケースが増加しており、世界的にみても「動物医療での人用医薬品活用」は珍しいことではありません。
1.ペット病院でもらった「人用医薬品」はペット保険で補償されるの?
まず結論ですが、「獣医師が診察し、治療目的で処方した薬」であれば、人用医薬品でもペット保険の補償対象になることが多いです。
しかし、例外や条件があるため、以下の判断基準を確認してみましょう。
・補償対象になりやすいケース、なりにくいケース
| ケース | 判断の傾向 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 獣医師が診療を行い、治療目的で人用医薬品を処方した。 | ◎ | 治療目的での処方であり、保険の補償対象であるため。 |
| 病名、診療内容、薬剤名が明細書に記載されている。 | ◎ | 医学的根拠が明確なため。 |
| 飼い主が自己判断で市販薬を与えた。 | × | 獣医師による治療でないため、補償の対象外 |
| 予防目的の投与(健康維持、サプリ扱いなど) | × | “治療”に該当しないため補償対象外 |
| 診療を受けず薬だけ購入した。 | × | 獣医師による治療ではないため、補償の対象外となることが多い。 |
| 病名、原因が診断されていない | △ | 別途、詳細な診断内容を求められる可能性が高い。 必要な書類の不足により、十分に保険金が支払われない可能性がある。 |
◆ポイント
- ・「治療目的 + 獣医師の診療 + 証明書類」 がそろっていれば補償されやすい。
- ・自己判断、予防、診療なしの場合は、ほぼ補償対象外
- ・同じ薬でも、用途、プロセス、証明の有無で判断が大きく変わる。
2.保険会社によって判断が異なるのはなぜ?
保険金の支払は、約款にもとづき支払可否が判断されます。
保険会社ごとに約款の内容や審査基準が異なるため、判断が分かれるケースがあるのが実情です。
実際に保険金が支払われるかどうかについては、以下の要素などを確認したうえで判断されます。
- ・治療理由、症状、病名
- ・治療内容
- ・処方薬の内容(医薬品/サプリ/予防薬)
- など
人用医薬品の処方は一般化しているため、補償対象になることが多いですが、心配な場合は加入しているペット保険会社に事前確認をしてみましょう。
なお、当社の「エイチ・エス損保のペット保険」では、一般に動物の治療において使用されている人用医薬品についても補償の対象としています。
※ただし、サプリメント、医薬部外品、海外薬、ペットの治療目的と関係のない医薬品等に関する費用は補償対象外となります。
3.ペットに人用医薬品を処方するのはなぜ?
人用医薬品がペットに処方されているのは、様々なメリットがあるからです。
近年の動物医療では、次のような利点が挙げられています。
- ・コストが抑えられる。
- ・薬の選択肢が豊富
- ・緊急時や継続治療でも入手しやすい。
人用とペット用で有効成分が同じ場合、人用医薬品の方が治療費を抑えられる傾向があります。
日本では、人用医薬品は公的医療制度のもとで薬価が統制され、ジェネリック医薬品も豊富に流通しています。
一方、ペット用医薬品は社会保障の対象外で自由価格のため、同じ有効成分でもペット専用薬の方が高額になるケースが少なくありません。
そのため、獣医師が適正な用量に調整した人用医薬品を処方することで、飼い主さまの治療費負担が軽減される場合が多いのです。
また、豊富な流通量による、緊急時や継続治療時の入手のしやすさもメリットと言えるでしょう。
・日本における人間とペットの医療費環境の違い
| 人間 | ペット | |
|---|---|---|
| 社会保障 | あり | なし |
| 自己負担割合 | 原則3割 | 10割(全額自己負担) |
| 薬価制度 | 国が統制 | 自由価格 |
| 流通量 | 極めて多い | 少ない |
| ジェネリック | 選択肢が非常に多い | 限定的 |
| 薬価の透明性 | 全国ほぼ同一 | 病院ごとに差 |
ただし、これは獣医師が容量などを調整する前提です。
自己判断で人用医薬品をペットに与えることは非常に危険ですので、必ず獣医師に処方してもらいましょう。
4.請求をスムーズに進めるコツは?
保険金の請求には、診療明細書または領収書(明細付)が必要です。
次の内容が記載されているか事前にチェックしておくと、スムーズに請求を進めることができるでしょう。
- 必要な項目(エイチ・エス損保の場合)
- ・被保険者の名前
- ・ペットの名前
- ・診療内容(診療日、傷病名、診察内容および金額)
- ※薬の処方があった場合は薬剤名や成分名、処置・手術・検査などはその内容の記載が必要です。
- ・動物病院名および住所または電話番号
未記載がある場合は、余白への追記と押印を動物病院に依頼しましょう。
まとめ
動物病院で処方される「人用医薬品」は、獣医師が診察のうえ治療目的で処方したものであれば、ペット保険の補償対象となるケースが多いのが実情です。
一方で、予防目的や自己判断による投与は、補償対象外となる可能性が高いため注意が必要です。
また、日本では制度上の違いもあり、人用医薬品を活用した方が治療費を抑えられるケースも多く見られます。
人用医薬品の処方は、現代の動物医療では一般的ですので、もし動物病院で人用医薬品を処方されても驚く必要はありません。
もし「この薬は保険の対象になるのか不安」と感じた場合は、診療内容や処方の目的をもとに、加入しているペット保険会社へ確認することが安心に繋がります。
ペットの治療と家計の安心を両立するためにも、ペット保険を上手に活用していきましょう。
