犬や猫でも熱中症になる?ペットを守るための予防策や対処法を解説!

犬や猫でも熱中症になる?ペットを守るための予防策や対処法を解説!

「熱中症の予防ってどんなことをすればいいのかな?」
「もし熱中症になったらどうしたらいいんだろう?」

今回は犬や猫の熱中症について予防策や対処方法について解説します。

具体的には、

  • ・犬や猫が熱中症になったときの初期症状とは?
  • ・エアコンなしは危険?犬や猫の熱中症対策
  • ・どこを冷やす?犬や猫が熱中症になったときの対処法

などを解説します。

人間と同じように、犬や猫でも熱中症になることはあります。
場合によっては命の危険に晒されることもあるでしょう。

大事なのは、熱中症に対する正しい知識を身に着けて対策をすることです。

大切なペットを守るためにも、しっかりと熱中症対策を行っていきましょう。

1.【要注意】犬や猫でも熱中症になるのか?

結論から説明すると、犬や猫でも熱中症になります。

夏場の暑い時期はもちろん、春や秋の暑い日にも熱中症になる可能性があります。

「まだ春だから」「もう秋だから」と思わずに、熱中症にならないか注意していきましょう。

1-1.室内でも熱中症になる

熱中症というと、屋外で直射日光に当たったときになるものと思うかもしれません。

しかし、以下のような状況の場合、室内でも熱中症になる可能性があります。

  • ・日陰だけど気温が高い
  • ・湿度が高い
  • ・室内の風通しが悪い
  • ・窓から直射日光が入ってくる

室内だから大丈夫と思わずに、犬や猫にとって危険な環境になっていないか気を付けるようにしましょう。

1-2.熱中症になると後遺症が残ることもある

犬や猫が熱中症になると、体調不良等が発生しますが、場合によっては熱中症が収まった後も後遺症が残ることがあります。

具体的には、以下のような症状があると言われています。

  • ・多飲多尿
  • ・食欲不振
  • ・脳障害
  • ・肺水腫
  • ・心不全

この他にもさまざまな症状が後遺症として残る可能性があるので注意しましょう。

1-3.熱中症にかかると突然亡くなってしまうこともある

犬や猫が熱中症にかかると、最悪の場合、亡くなってしまうこともあります。

また、犬や猫は人間と比較して熱中症に弱く、人間の感覚では大丈夫でも、犬や猫にとっては危険な場合もあります。

熱中症は大切なペットの命に係わる重い病気であると認識しましょう。

2.犬や猫が熱中症になったときの初期症状とは?

犬や猫が熱中症になったときは、どのような症状が出るのでしょうか?

ここでは、よくある熱中症の初期症状について解説します。

「ウチの子、熱中症かも?」と思ったときに、判別できるようにチェックしてみてください。

2-1.呼吸が荒くなる

熱中症になると、ペットの呼吸が荒くなることがあります。

犬や猫は人間のように皮膚全体に汗腺がなく、足の裏にしか汗腺がありません。
そのため発汗ではなく、呼吸で体温を調節します。

体温が高くなると、呼吸を繰り返して体温を下げようとするので、呼吸が荒くなったときは要注意です。

特に息苦しそうに呼吸をしているときは、それだけ体温が高くなっている可能性が高いので見逃さないようにしましょう。

2-1-1.犬や猫がするパンティングとは?

犬や猫が口を開けて舌を出しながら「はあはあ」と音を出しながら呼吸をすることを「パンティング」と言います。

呼吸が乱れているのではないかと不安になるかもしれませんが、パンティング自体は体温を調節するために行っていることで、自然な行動です。

ただし、苦しそうにパンティングをしている場合は、要注意です。

2-2.よだれを垂らす

よだれを垂らしている場合、熱中症の初期症状の可能性があります。

よだれについても呼吸と同じで、体温を下げるために普段よりもよだれが出るようになります。

よだれが出ていないか?
出ているとしたら普段よりも多い量が出ていないか?

上記のようなポイントを呼吸と合わせて確認するようにしましょう。

2-3.立とうとしても立てない、ふらつく

犬や猫が立とうとしているのに立てない、もしくは立っているけどふらつくといった場合も、熱中症の初期症状の可能性があります。

熱中症が起こりそうな日にペットが怪しい動きをしていたら、注意するようにしましょう。

2-4.水分の摂取量低下、食欲の減退

熱中症になると、水分の摂取量が低下したり、食欲の減退が発生します。

  • ・暑い日なのに普段よりも水を飲まない
  • ・いつもはすぐにご飯を完食するのに今日は全然食べない

このような状態の場合、熱中症になっている可能性があるので、様子をよく観察して注意するようにしましょう。

3.犬や猫が熱中症になった場合、どのくらいの期間で回復するのか?

万が一、犬や猫が熱中症になってしまったら、どのくらいの期間で回復するのでしょうか?

結論から説明すると、熱中症の度合いによって変わります。
また、犬種や猫種、年齢、健康状態等によっても回復までの期間は変化します。

ケースバイケースなので、一概にこれくらいの時間があれば回復すると考えるのは危険です。

ペットが熱中症になったら、すぐに病院に連れていき、医師の診断を受けるようにしましょう。

4.エアコンなしは危険?犬や猫の熱中症対策

ここからは犬や猫の熱中症対策について解説します。

人間と同じように、犬や猫においても熱中症対策は欠かせません。
夏場の暑い日に、何の対策もしなければ、熱中症になる可能性は一気に上がるでしょう。

大切なペットを守るためにも、万全の熱中症対策を行うようにしましょう。

4-1.エアコンで適切な温度に調節する

室内の場合、エアコンで適切な室温に調節することをおすすめします。

具体的には、25℃以下を目安にするといいでしょう。

また、シベリアン・ハスキーやパグなど犬種によっては、より低い室温の方が良い場合もあるので、様子を見ながら適宜調節していきましょう。

4-2.クールマットやアルミプレート等のペット用クールグッズを使用する

ペット用のクールグッズを使用するのもいいでしょう。

現在は、様々な熱中症対策用グッズが販売されています。

室内外問わず、クールグッズを使うことで熱中症対策ができるので、犬種・猫種や飼育環境にあったクールグッズの使用をおすすめします。

また、クールグッズを購入しなくても、水を入れて凍らせたペットボトルや保冷剤をタオルで巻いたもの等で代用することも可能です。

4-3.暑い時間帯の散歩や外出は避ける

暑い時間帯に散歩や外出を避けるのも、熱中症対策になります。

日中はもちろん、夏の場合、早朝や日が落ちてからしばらくの間も、暑いことがあります。
また、日が落ちてからしばらくはアスファルトが熱を持っているので、輻射熱でも熱中症のリスクが高まります。

犬や猫等の動物は、4本足で歩くため、アスファルトと身体の距離が近くなります。
そのため、アスファルトからの熱が身体に伝わりやすく、熱中症になりやすくなります。

熱中症になりやすい時間帯の外出を避けることで、ペットを熱中症から守ることができます。

4-4.水分補給ができるように充分な水を用意する

人間と同じで、犬や猫も水分が不足すると、体温の調節がうまくできなくなり熱中症になりやすくなります。
また、熱中症にならなくても、身体の水分が不足すると脱水症状となり体調不良の原因になります。

そういった意味でも、充分な量の水を用意して、好きなタイミングで水分補給ができるようにしましょう。

特に夏は他の季節よりも水分を取る量が増えるので、いつの間にか用意していた水を飲み切ってしまっていた、ということが起こり得ます。
充分な量に加えて、水がなくなっていないかこまめに確認するようにしましょう。

4-5.日陰の涼しい場所を作る

室内外問わず、日陰の涼しい場所を作ってあげるのも、熱中症対策になります。

室外であれば、パラソルやすだれ等を使うことで日陰を作ることができます。

すだれ

室内であれば、日差しが入り込む窓にカーテンを設置することで日陰を作れます。
(あわせて、扇風機を使って空気を循環させることで室温を下げることができます)

日陰を作って、日差しを避けられる環境を作るようにしましょう。

5.どこを冷やす?犬や猫が熱中症になったときの対処法

万が一、犬や猫が熱中症になってしまった場合、どのように対処したらいいのでしょうか。

ここでは代表的な熱中症の対処方法について解説していきます。

熱中症になってしまった場合、1秒でも早く対処する必要があります。

今回の紹介する方法を理解して、いざというときにすぐに対処できるようにしておきましょう。

5-1.日陰や涼しい場所に移動させる

犬や猫が熱中症になってしまった場合は、日陰や涼しい場所に移動させましょう。

風が通る場所や扇風機が回っている場所、クーラーの効いている部屋に移動させると、より効率良くペットの身体を冷やせます。

ただし、無理に動かそうとすると症状が悪化してしまう可能性もあるので、移動させるときは慎重に行いましょう。

また、屋外の場合、日陰になっている場所でも地面が熱を持っている可能性もあります。
日陰だから大丈夫と思わず、地面が熱くないかも確認するようにしましょう。

5-2.首や腋窩(えきか)、鼠径部(そけいぶ)を冷やす

犬や猫が熱中症になってしまったときは、首や腋窩(えきか)※1、鼠径部(そけいぶ)※2に氷枕や氷嚢を当てて冷やすようにしましょう。

※1:前足の付け根部分
※2:後ろ足の付け根部分

このように太い血管が通っている部分を冷やすことで、効率良く身体を冷やすことができます。

ただし、冷やしすぎると血管が収縮して体内の熱が放出できなくなってしまい、逆効果になることがあるので要注意です。

5-3.水を飲ませる

犬や猫が熱中症になってしまった場合は、水を飲ませましょう。

水の代わりにペット用の経口補水液やスポーツドリンクを飲ませてもOKです。
その他に人間用の経口補水液やスポーツドリンクでも水で薄めたものでも代用可能です。

ただし、無理に飲ませると水が気管に入ってしまうこともあるので、強引に飲ませるのは避けましょう。

また、場合によっては、水を飲んでくれないこともあります。
そういった場合は、冷たいタオルで体を拭いてうちわ等で風を当てる、身体に水をかける等の方法で冷やしてあげるといいでしょう。

6.熱中症になりやすい犬種や猫種はあるのか?

犬や猫の中には、身体の構造上、熱中症になりやすい犬種や猫種が存在します。

特に注意が必要なのは、「短頭種」と呼ばれる犬種、猫種で、熱中症になりやすくなっています。

  • 【短頭種の例】
  • 犬…フレンチブルドッグ、パグ、チワワ等
  • 猫…ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘア等

短頭種は鼻が短く口腔の面積が狭くなっている関係で、唾液を気化して熱を逃すのが苦手です。
その影響で、身体に熱がこもりやすく、熱中症になるリスクが高くなっています。

短頭種を飼っている場合は、特に注意が必要になります。

また、短頭種でなくても、シニア期※や肥満状態となっている場合も熱中症になりやすいので、こちらもあわせて注意が必要です。
※犬種や猫種にもよりますが、一般的に7歳以上を指します。

もちろん、上記に当てはまらない種類でも熱中症になるリスクはあるので、犬種や猫種に関わらず熱中症対策は常に行うようにしましょう。

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