フィラリア症ってどんな病気?ペットが発症した時の症状や予防策を解説!

フィラリア症ってどんな病気?ペットが発症した時の症状や予防策を解説!

「フィラリア症ってどんな病気なんだろう?危ないのかな?」
「フィラリア症の予防ってやった方がいいのかな?」

今回は犬や猫がかかる病気の1つであるフィラリア症について解説します。

具体的には、

  • ・ペットの天敵?フィラリア症とはどんな病気なのか?
  • ・発症するとペットはどうなる?フィラリア症の症状について解説
  • ・【重要】ペットのフィラリア症の予防方法

などを解説します。

フィラリア症は、蚊を媒介して感染する寄生虫(フィラリア)による病気で、心不全や多臓器不全を引き起こす可能性があり、非常に危険です。

また、犬だけではなく猫が感染することもあり、失明や脳障害を引き起こす可能性があります。

このように非常に怖い病気ではありますが、現代では予防をすることで感染を防ぐことができます。
過度に恐れる必要はないので、しっかりと予防をして、大切な家族を守っていきましょう。

1.ペットの天敵?フィラリア症とはどんな病気なのか?

フィラリア症は、蚊を媒介として感染する寄生虫(フィラリア)による病気です。
フィラリアは別名「犬糸状虫」ともいいます。

そうめんのような白く細長いフィラリアが心臓に大量に寄生することで、心臓病や呼吸困難等を引き起こし、最悪の場合、心不全や多臓器不全になり亡くなってしまうこともあります。

ただし、現在は正しく予防をすることで100%防げる病気となっているので、過度に恐れず、予防を徹底することが大事になってきます。

1-1.犬がフィラリア症になる確率はどれくらいなのか?

では、犬がフィラリア症になる確率はどれくらいなのでしょうか?

フィラリア症になる確率は、上記に記載の通り、適切な予防をしている場合100%予防できます。

しかし、そうでない場合、1年間で感染する確率は30%以上※と言われています。
※全国のフィラリア感染率で、季節や地域、飼育環境等によって数値は変化します。

このように適切な予防をしているかどうかでフィラリア症になる確率は変わるので、予防を徹底していきましょう。

1-2.フィラリア症にかかった犬の寿命はどれくらいなのか?

フィラリア症にかかってしまった犬の寿命については、年齢や基礎疾患の有無、適切な治療の有無等、様々な要因に左右されるため、一概に明記することはできません。

フィラリアの寄生数が少ない状態で適切な治療を受ければ、健康な場合と同じくらいの寿命を全うすることもあります。
逆に、寄生数が多い場合、ペットの身体への負担が大きく、適切な治療をしても寿命が短くなってしまったり、場合によっては数週間で亡くなってしまうこともあるようです。

いずれにせよ、フィラリア症にかかってしまった場合、感染していない場合と比較して寿命が短くなる可能性があります。
フィラリア症にかかってしまったり、発症が疑われる場合は、すぐに病院に連れていき、適切な治療を受けるようにしましょう。

1-3.フィラリアは犬だけではなく猫にも寄生する

フィラリアは、犬だけではなく猫にも寄生します。

猫の場合にも、主に肺や心臓にフィラリアが寄生しますが、場合によっては眼や脳に入り込み、失明や脳障害を引き起こす危険性もあります。

また、フィラリアに寄生された猫の3頭に1頭は、何の前触れもなく苦しみだし、突然亡くなってしまう事例も報告されており、犬と同様に警戒が必要です。

犬だけではなく、猫の場合でもしっかりとした対策が求められます。

2.◯が原因…犬がフィラリア症を発症する原因とは

フィラリア症を発症する流れは、以下の通りです。

  • 1.蚊がフィラリアに寄生された犬を刺すことで、フィラリアを保持する
  • 2.フィラリアを保持する蚊に刺されることで、寄生されていない犬の体内にフィラリアが侵入する
  • 3.犬の体内でフィラリアが成長して、フィラリア症を発症する

上記の流れでフィラリア症を発症しますが、その原因となるフィラリアに寄生される直接的な要因としては「蚊に刺されること」になります。
(犬から犬へ直接感染することはありません)

このことから、フィラリアに寄生されないためには、いかに蚊に刺されないようにするかが重要になってきます。

なお、万が一、蚊に刺されても、フィラリアを保持していない蚊の場合、感染しません。
フィラリアを保持している蚊に刺された場合のみ発症する可能性がある病気となっています。

2-1.フィラリア症に気を付けるべき時期とは?

フィラリア症は蚊が媒介する病気です。

なので、蚊の活動が活発になる時期は要注意です。
真夏の時期はもちろん、春や秋も警戒は必要でしょう。

地域によっても異なりますが、5月〜12月は蚊の発生数に関わらず、予防をすることが大事です。

「12月はもう冬だし、蚊なんていないから警戒しなくて良いんじゃない?」

と思うかもしれませんが、フィラリア症は蚊がいなくなってからも1ヶ月間は予防が必要とされているので、12月にも予防が必要になります。

3.発症するとペットはどうなる?フィラリア症の症状について解説

犬がフィラリアに寄生されると、様々な症状が出るようになります。

では、どのような症状が出るのかを、症状別に紹介します。

3-1.犬のフィラリア症の初期症状

以下のような症状がフィラリア症の初期症状になります。

  • ・時々、軽い咳をする
  • ・栄養状態や毛艶が悪くなる
  • ・運動を好まなくなる

3-2.犬のフィラリア症の末期症状

以下のような症状がフィラリア症の末期症状になります。

  • ・腹水が溜まる
  • ・元気や食欲がなくなり痩せる
  • ・呼吸困難や運動時の失神が見られるようになる
  • ・咳に多量の血が混ざる
  • ・不整脈、重度の貧血、血尿の発生(大静脈症候群)

4.【重要】ペットのフィラリア症の予防方法

では、フィラリア症はどのように予防をするのがいいのでしょうか。

結論から説明すると、以下のような予防薬の使用が代表的な予防方法となります。

  • ・飲み薬
  • ・スポット薬(ペットの背中につける薬)
  • ・注射薬

このような予防薬を使用することで、体内のフィラリアを死滅させることができます。

ただし、予防薬を使用する前にはフィラリアに寄生されていないかの検査が必要になります。
理由は、ペットの体内にフィラリアがいる状態で予防薬を使用してしまうと、死滅したフィラリアが血管に詰まる等して急性症状を引き起こす可能性があるためです。
(フィラリアが体内にいない状態で予防薬を使うことで、血管等に詰まらず急性症状を引き起こさないミクロフィラリアの段階で死滅させることができます)

そのため、以下の手順を踏みましょう。

  • ①検査
  • ②寄生されていなければ予防薬を使用
  • ※検査時に寄生が確認された場合は、別途治療が必要になります。

検査や予防薬については動物病院で相談が可能なので、予防をしていない場合は問い合わせてみることをおすすめします。

5.フィラリア症は治る?フィラリア症の治療方法について解説

万が一、フィラリア症を発症してしまった場合、どのような治療方法があるのでしょうか。

一般的には、以下のような治療方法が考えられます。

  • ・外科手術による摘出
  • ・ミクロフィラリアを死滅させる予防薬を投薬した上で、成虫の寿命(約5年)を待つ※
  • ・成虫を死滅させる薬の投与※

※死滅した成虫が血管に詰まるリスクがあります。

ただし、フィラリア症が治っても、ダメージを受けた循環器系の回復は難しく、場合によっては循環器系の病気が出やすくなるなどの後遺症が残る可能性があります。

フィラリア症だけの問題に収まらない可能性があるからこそ、予防の徹底が大事になってきます。

6.フィラリア症に特に気を付けるべき場合とは?

フィラリア症は、犬種に関わらず気を付けるべき病気ですが、その中でも以下のような場合は、特に注意が必要です。

  • ・屋外の犬小屋で飼育している犬
  • ・フィラリアの検査をしていない保護犬

屋外で飼育している犬は室内飼いの犬と比較して、蚊に刺されるリスクが高く、特に注意が必要になります。

また、保護犬については、保護されるまでの間、屋外で生活していた可能性や予防薬を投与されていない可能性があり、そういった観点から注意が必要になります。

もちろん、必ずフィラリアに寄生されているわけではありませんが、フィラリアに寄生されやすい環境にいることは間違いないので、検査と予防を徹底するようにしましょう。

7.フィラリアの予防は不要なのか?

フィラリアについては、蚊に刺されなければ寄生されないので、「フィラリアの予防って実はいらないんじゃない?」と思う人もいるようです。
特に、室内犬の場合、屋外で飼育している犬と比較して蚊に刺されるリスクが少ないので、不要と感じることもあるかもしれません。

しかし、フィラリアに寄生されると、治療が必要になり、予防と比較して時間や労力、費用がかかってしまいますし、何よりペットに辛い思いをさせてしまいます。

現代では、しっかりと予防することでフィラリア症を防げるので、ペットの健康のためにも不要と思わず予防を徹底していきましょう。

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